人間ドックは必要ない? 医者が教える「いい健診、悪い健診」 (3/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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人間ドックは必要ない? 医者が教える「いい健診、悪い健診」

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亀井洋志週刊朝日#ヘルス
磁気などを用いて体内の断面画像を写すMRI検査の装置 (c)朝日新聞社 

磁気などを用いて体内の断面画像を写すMRI検査の装置 (c)朝日新聞社 

主な健康診断のポイント (週刊朝日2019年9月6日号より)

主な健康診断のポイント (週刊朝日2019年9月6日号より)

 早期にがんを見つけると、治療の副作用に苦しんだうえ多額の費用がかかる可能性もある。一部の乳がんも当てはまるといい、名郷さんは警鐘を鳴らす。

「検診で乳がんが見つかった人は、検診以外で見つかった人より別のがんによる死亡率が2.42倍高いというデータがあります。抗がん剤や放射線治療が行われたために、別のがんが増える危険性もあるのです」

 これでは何のためのがん検診なのかと思えてくるが、受けておいたほうがいいものもある。中原さん、名郷さんともに勧めるのが大腸がんと子宮頸がんの検診だ。心配な人は受けてみよう。

 早期の脳梗塞を見つけるために脳MRI(磁気共鳴断層撮影)の検査を受ける人もいる。言語障害や手足のまひなどの症状がない「無症候性脳梗塞」を見つけられるというが、名郷さんは否定的だ。

「MRIを撮っても脳梗塞は予防できません。無症候性脳梗塞は70代で3割、80代で4~5割の頻度で見つかります。診断された人はどんな治療を受けるのかといえば、血液をサラサラにするためにアスピリンを飲まされます。そうすると脳出血や消化管出血の危険性が、脳梗塞の予防効果を上回ります。未破裂動脈瘤(りゅう)を見つけるのはいいのですが、小さいものは経過観察になります。患者さんは不安と憂鬱(ゆううつ)にさいなまれて日々を過ごすことになります。検査のメリットばかりでなく、デメリットにも目を向けたほうがいいと思います」

 医療技術が飛躍的に進歩したことで、発見が遅れたがんも克服されるようになった。本当に役立つ健診やがん検診を、私たちが見極めるべき時代になっている。(本誌・亀井洋志)

週刊朝日  2019年9月6日号


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