作新学院の林勇成が本調子でなくてもノーヒット・ノーランまであと一歩と迫った理由とは?  〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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作新学院の林勇成が本調子でなくてもノーヒット・ノーランまであと一歩と迫った理由とは? 

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内山賢一週刊朝日
八回裏2死まで無安打投球を続けた作新学院の林(C)朝日新聞社

八回裏2死まで無安打投球を続けた作新学院の林(C)朝日新聞社

八回裏2死、岡山学芸館の金城に左前安打を許し、無安打無得点がなくなった作新学院の林(C)朝日新聞社

八回裏2死、岡山学芸館の金城に左前安打を許し、無安打無得点がなくなった作新学院の林(C)朝日新聞社

 作新学院(栃木)のエース・林勇成が16日の第101回全国高校野球選手権大会3回戦で岡山学芸館を相手にあわや無安打無得点(ノーヒット・ノーラン)試合達成という快投を演じた。もし達成されれば、第80回(1998年)決勝の横浜(東神奈川)・松坂大輔以来、21年ぶりの大記録だった。

 試合は作新学院の19安打18得点で一方的な展開となり、打撃面の印象が強かった。一方で、中盤以降は林の投球に注目が集まった。四死球を与えて走者を背負いながらも、まだ安打を打たれていなかったからだ。

「七回から(記録を)意識していました。このままいけるんじゃないかなって」

 そう言う林は七回も2四球で1死一、二塁とされたものの、後続を打ちとっていよいよ期待が高まった。

 迎えた八回、先頭打者を二飛、次打者を二ゴロに仕留め、大記録まであとアウト四つに迫る。しかし、続く2番・金城祐太への初球を左前に運ばれて大記録は夢に終わった。内角を突いた直球が浮いた失投だった。

 その瞬間のマウンド上での心境を、こう明かした。

「打たれちゃったなあ」

 ここで2番手の三宅悠弥に譲ってマウンドを降りた。

 調子は決して良くなかった。制球が乱れて計6四死球を与えた。

「初戦(2回戦)を100とするなら80ぐらい」の仕上がり。

 それでも林がマウンドで踏ん張れたのは、バックの助けがあったからだと振り返る。

「初回の先頭打者に打たれたヒット性の打球をショートの石井がよく捕ってくれた。あれで気が楽になった。あと六回の無死一塁の場面で、セカンドの松尾が(一、二塁間を抜けそうな打球に)追いついて二塁でアウトにしてくれるなど、野手が球際で粘ってくれた。味方打線もよく打ってくれた。信頼できるバックがいるおかげで楽に投げられた」

 味方の堅守に支えられ、本調子でなくとも丁寧な投球を心がけて打たせて取った。

「良かったのはインコースの直球を効果的に使えたこと」
 これにカーブ、スライダー、カットボールを織り交ぜて緩急を使い、打者に的を絞らせなかった。

「打たれて、やっぱり悔しい。でも、四死球が多かったので反省するところはたくさんある。疲れはあるけど、しっかりケアして次の試合に臨みたい」

 ノーヒット・ノーランの経験はない。中学時代に一度だけ、あと一人まで迫ったことがあるだけだという。投手として栄誉ある記録を逃しても未練はない。気持ちを切り替えて、すでに次の試合を見つめている。
(内山賢一)

※週刊朝日オンライン限定記事)


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