打撃練習を見守る国学院久我山の尾崎監督(左)(撮影/田中将介)
打撃練習を見守る国学院久我山の尾崎監督(左)(撮影/田中将介)
初戦の相手、前橋育英の試合の映像をチェックする国学院久我山の選手たち(撮影/田中将介)
初戦の相手、前橋育英の試合の映像をチェックする国学院久我山の選手たち(撮影/田中将介)
ロッテの井口監督から贈られたTシャツ(左)と、同じくロッテの松田選手から贈られたバッティンググローブ(右)(撮影/田中将介)
ロッテの井口監督から贈られたTシャツ(左)と、同じくロッテの松田選手から贈られたバッティンググローブ(右)(撮影/田中将介)

 第101回全国高校野球選手権大会で、28年ぶりに出場する国学院久我山(西東京)が8日、前橋育英(群馬)と1回戦で対戦する。春夏合わせて6回目の甲子園出場となるが、まだ勝ったことがない。プロ野球ロッテの井口資仁監督(44)らOB・OGらの期待を背負い、初勝利を目指す。

【写真】OBの井口監督と松田選手から届いたうれしいプレゼント

 前回出場した第73回大会(1991年)は、ロッテの井口監督が2年生のとき。井口監督は「母校が甲子園出場を決めて本当にうれしい。甲子園で我々ができなかった1勝をしてもらいたい」と応援のメッセージを寄せた。また、全部員66人と監督らに練習用Tシャツをプレゼントした。

 ロッテの松田進内野手(24)もOBで、試合用と練習用の打撃用手袋を差し入れた。

 松田選手は2年生のときに2011年春の選抜大会に出場。序盤に7点を取られたものの、粘りの野球で一時は同点に追いついた。だが、サヨナラ負けで無念の涙をのんだ。

「同点に追いついて2アウト2塁で僕に打席が回ってきたが、初球の甘いボールを振れなくて三振した打席が今でも忘れられない。すごい緊張した。それでもあの経験があったから選抜以降、緊張する場面で後悔していたらもったいないと思うようになった」

 初戦を迎える後輩たちに、こうメッセージを送る。

「甲子園は夢のような場所で、いろいろなことを学ばせてもらった。今回は、西東京を制覇しての甲子園なので、今まで尾崎さん(監督)と積み上げてきたものを信じて今度こそ甲子園初戦突破してほしい」

 同校にはOB・OGからの差し入れが相次いでいるといい、「こんなに多くの差し入れが届いたことはない」とホテルのスタッフも驚くほど。

 尾崎直輝監督(29)も「自分たちだけで戦っているわけじゃない。声援を力に変えていきたい」と意気込む。

 尾崎監督は就任6年目。同校、国学院大学を経て13年に監督に就任した。グラウンドでは、監督と選手というよりも、チームメート。自ら率先して、グラウンド整備をしたり、バッティング投手を務めたりする。初戦に向け、気合十分だ。

「西東京大会では1戦ずつ強くなってきた。(初戦の)前橋育英は堅実なチームというイメージがある。ただ、場所と相手が変わっただけで、やることは変わらない。自分たちらしく対策して臨みたい。チームの持ち味は対応力。一戦必勝で思い切ったプレーをしていきたい」

 7日も、2時間ほどグラウンドで汗を流したあと、初戦で対戦する前橋育英の試合をビデオでチェック。入念な対策を行った。

 悲願の初勝利へ向けて、甲子園6戦目に臨む。勝って校歌を歌うのがチームの目標だ。(本誌・田中将介)

※週刊朝日オンライン限定記事