公開された新国立競技場の内部。観客席を覆う屋根は完成していた (c)朝日新聞社
公開された新国立競技場の内部。観客席を覆う屋根は完成していた (c)朝日新聞社
記者に送られてきた偽の通知メール
記者に送られてきた偽の通知メール

 7月7日、重量挙げのテスト大会を兼ね、日中韓友好大会最終日が行われた東京国際フォーラム(東京都千代田区)。一般の人が通路から見下ろせる地下広場で、選手たちがウォーミングアップしていた。同会場は文化施設で、スポーツ大会の開催は極めて珍しい。通りがかった人たちが足を止めて見入っていた。

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 大会組織委員会の担当者は、前向きに総括した。

「劇場をスポーツ大会で使用するので、設営が一番チェックしたいポイントだった。バーベル落下の騒音対策や動線などの確認がうまくいったと思う」

 テスト大会は競技ごとに予定され、本番会場で原則行う。全体で56大会。今夏はバスケットボールの日本代表戦(さいたまスーパーアリーナ)や、柔道の世界選手権(日本武道館)などがテスト大会を兼ねる。競技団体主催の大会を観戦すれば、一足早く五輪気分を味わうことができる。

 ただ、スポーツクライミングやスケートボードなど組織委主催の22大会は、技術的なテストに重点を置くため無観客試合にする見通しだ。もちろん、チケット販売は行われない。

■予定外の救済策 チャンスは残る

 本番の五輪チケットについては、敗者復活戦といえる「セカンドチャンス抽選」が8月に行われる。当初の計画にはなかったものだ。5月の抽選販売に参加しながら1枚も当たらなかった人が対象となる。当選したのに購入しなかった人は申し込めない。抽選で売れ残った予選競技を中心に、1人1枠の申し込みを受け付ける。

 また、秋の先着順販売は抽選に切り替わるという。全競技が売り出され、全ての人が参加できる。

 こうした変更は、抽選販売で混乱したためだ。

 過去の大会でも購入できなかった人の不満が高まり、問題化したことがある。今回も、公式サイトに累計約2425万件に上るアクセスが集中。申し込み手続きにかなりの手間と時間がかかり、応募者は不便な状況を強いられた。

 実際、6月のチケット当選発表後の会見で、組織委の森喜朗会長はこう語っていた。

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