「外れた方には、大変申し訳ない。なんとかもういっぺん挑戦できるようなことができないだろうかと個人では思っている」

 救済策実施に急速に傾いた背景には、この発言が影響したのかもしれない。

 同様に高い倍率が見込まれるが、旅行会社を利用する手もある。例えば、JTBは7月24日から「東京2020オリンピック公式観戦ツアー(観戦チケット付)」の申し込みを受け付ける。

 大会スポンサーのパナソニックやアース製薬、三井住友銀行なども、チケットが当たるキャンペーンを実施している。

 聖火リレーランナーの公募受け付けも、47都道府県の各実行委員会が始めている。リレーは来年3月26日から7月24日の121日間で国内各地の名所を回り、1人が走る距離は約200メートル。締め切りは今年8月31日で、12月以降に当選者が決まる。

 スポンサーの日本コカ・コーラ、トヨタ自動車、日本生命保険、NTTも募集しており、都道府県の一つとスポンサー4社に各1回ずつ最大5回まで応募できる。走るのは1回だけだ。

■東京五輪のチケット当選? 記者に届いた1通の通知詐欺メール

 東京五輪チケットの「敗者復活戦」に伴って注意しなければいけないのが「チケット当選通知詐欺」だ。

 7月初め、記者宛てに一通のメールが届いた。

 表題は東京五輪のチケットが当選したと記載されている。

 発信元名は「チケット販売委員会」。「チケットに当選したので下記URLより手続きください」と指示している。

 しかし、これは明らかに「偽の当選メール」だ。

 大会組織委員会からのメールにはURLは記載されておらず、発信元名は「Tokyo 2020」だからだ。

 メールに記載されたURLをよく見てみると、アルファベットの字体がそろっていない。第三国が関わる五輪詐欺なのだろうか。

「典型的なフィッシング詐欺。セブンペイの事件と同様、セキュリティーが脆弱(ぜいじゃく)なところを突いてくるのが詐欺グループの手法。とにかく身に覚えのないメールは開封してはいけない」(警視庁捜査関係者)

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