社会で応用できるスキルも身につけることができる。レジュメやポスター作り、エクセルを使った検索情報の管理、画像の処理など基本的なパソコンのスキルを学ぶ。より専門的な統計やデザインのノウハウも学習できる。

 外国語の能力も高めることができる。学科には、日本史、東洋史、西洋史などの専門分野があり、東洋史では中国語・朝鮮語、西洋史では英語などの資料が読み込めるように能力を鍛えていく。

「外国の史料の原典を読むというのは難しいが、卒業までに中国語や英語で書かれた論文を読み込むまでのレベルにはいくことができる。外国語資料の調査能力も養うことができます」と貝学部長は言う。

 就職先は多様だ。ホテルや観光などのサービス業や銀行などの金融・保険業、コンビニなどの小売業といった民間企業のほか、教員や公務員なども多い。高校の地理歴史、公民などの教員免許、博物館学芸員などの資格が取得できる。

「最近は観光業で活躍する卒業生が増えてきている。民間企業でも情報を適切に管理し、良い悪いを判断できるので、総務関連で重宝される能力がある。古文書が読める学芸員として活躍する卒業生も多いです」(貝学部長)

 好きな歴史をきっかけに、社会で役に立つスキルを身につけることができる。学問をするうえで最も大切なものがここにあるように感じる。(本誌・吉崎洋夫)

週刊朝日  2019年4月26日号

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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