一方のセ・リーグは、広島の4連覇を予想する。広島、巨人ヤクルト、DeNA、阪神中日の順。広島と巨人は悩んだが、差を分けるのは救援陣。巨人は新外国人のクックが加入したが、七、八回を計算できる投手がいない。原監督を中心に、終盤の失点を年間通じてやりくりしながらしのぐしかない。広島はオープン戦を見ていても、各打者の振りが鋭い。今の野球は、打力上位。1点を守り抜く野球はどうしても窮屈になりやすいし、投手を何人も使うと夏場以降に疲れなどでひずみが出る。その点で広島が夏場以降に抜け出すのではないか。ヤクルトはパの日本ハムと同じく、2年目の村上ら若手の成長力が優勝争いのカギを握る。

 DeNAは昨季の新人王の東が故障で出遅れているのが気がかり。復帰後に昨年のような質の高い投球ができるか。阪神と中日はチームの変革期でもある。楽しみな素材がファームに多くいると聞くが、シーズンを乗り切る力は他球団より低いとみて、下位予想となる。

 ただ、これはあくまで予想である。6カ月のシーズンで、現時点の予想を裏切るような選手の活躍、戦いを見たい。

週刊朝日  2019年4月5日号

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東尾修

東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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