室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
イラスト/小田原ドラゴン
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 作家の室井佑月氏は、北朝鮮拉致被害、辺野古移設、3.11の原発事故などの問題を取り上げ、日本という国を憂う。

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「次は私自身が金正恩・朝鮮労働党委員長と向き合わなければならない」、あの方の決め台詞な。

 カッケェ、と思う人いる? 心底呆れるわ。拉致被害者を取り戻すため、金正恩と話し合う可能性が少しでもあったなら、なぜはじめにトランプさんと一緒に拳を振り上げた?

 その後、日本だけが梯子を外された。これから独自に話し合いの場を設けるなんて、結局、カネ次第って話になるんじゃないの(報道されないだろうが)。

 米国のトランプ大統領にあの方が、「日本企業は七つの工場をアメリカに移転させる」といったみたい。

 この国は労働力が足りないから移民を受け入れるんでしょ。先進国の中では賃金が低いこの国。それでも移民と競争させてもっと安くしたいわけだ。それでなんとか企業がやっていくという話だったのに、なに考えてるの? 国民のことを考えてないのは確かだけど。

 民意を無視して、強行される辺野古新基地建設の工事。軟弱地盤の改良に何年かかって、工事の総額がいくらになるのかもわからない。来年はいくらで、再来年はいくらって、何十年も工事が終わるまで予算を上乗せしていくつもりらしい。

 政治家の身内が基地建設に関わっていたり、基地建設に関わる会社が政治家を応援してたり。こうなると、どうして辺野古に米軍基地が必要か?という話じゃないのかもって気がする。普天間が危ないからって理由だけじゃないだろ。

 そして、事故を起こした福島第一原発。その対応費は81兆円になるんだって。81兆円って、目ン玉が飛び出るわ。3月9日付の朝日新聞デジタルに、

<東京電力福島第一原発事故の対応費用が総額81兆~35兆円になるとの試算を民間シンクタンク「日本経済研究センター」(東京都千代田区)がまとめた。経済産業省が2016年に公表した試算の約22兆円を大きく上回った>

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室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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