という記事が載っていた。大きく上回ったっていうけどさ、経産省が出した数字の倍なんてもんじゃない。最大59兆円も上回っているってどうよ? どうしても原発推ししたい経産省が、嘘データ出したんかいな?

 この国はほんとにもうダメなんじゃないか? この国の中枢にいる連中は、それが真っ先にわかるポジションにおる。だから最後に盛大なパーティーを開く勢いで、我々の血税を使いたい放題にしているんじゃないか? こっそりポケットを膨らましてる。最後は逃げるつもりで。

 ひと昔前は、この国の中枢にいる人間は、国民をATMみたいに使う、そう思い腹立たしかった。でも、我々が彼らにとって便利なATMでいるうちはぎりぎりでも生かされる、共依存のような関係だと感じてた。

 今は、彼らは我々から盗むだけ盗んで、ATMとして壊れたらポイ捨てするつもり、そう感じる。我々はいつの間にか、人から使い捨ての物に、勝手に格下げされたっぽい。

週刊朝日  2019年3月29日号

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室井佑月

室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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