ゴーン前会長が取締役にとどまる日産では4月8日に臨時株主総会を開き、今回逮捕されたゴーン、グレッグ・ケリー両取締役の解任などを決める予定だ。

 ゴーン前会長が取締役会や、株主として臨時株主総会に出席して意見を述べたいと言った場合はどうなるのだろうか。元検事の郷原信郎弁護士は、裁判所が出席の許可・不許可を判断する場合、推定無罪を重視するか、公判維持を重視するかで違ってくるという。

「検察は出席に反対するだろうが、出席することで、どれだけ罪証隠滅の恐れがあるのだろうか」

 ゴーン前会長は役員報酬額を過少記載した金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)と私的な損失を日産に付け替えたなどとして会社法違反(特別背任)で逮捕、起訴されていた。虚偽記載問題は2010~17年度が対象だが、直近の部分で経営トップだったのが西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)。西川社長の責任がどうなるのかという問題もあると、郷原弁護士は指摘する。

 日産は取材に対し、「コメントする立場にない」としている。

 今後の裁判は通訳が必要になることもあり、長期化の可能性がある。ブランドイメージの低下など日産側に影響を与えそうだ。(本誌・浅井秀樹)

週刊朝日  2019年3月22日号