賀来千香子が語るマザコン代名詞“冬彦さん”現象の真相「台本にないアイデアやセリフ多かった」

太田サトル週刊朝日#ドラマ
 1992年に放送された「ずっとあなたが好きだった」(TBS系)は、賀来千香子さん演じるヒロインの美和と、その夫で強度のマザコン・冬彦役の佐野史郎さんとその母・野際陽子さんの鬼気迫る演技が大きな話題を集め、最高視聴率34.1%を記録した。「冬彦さん」という言葉そのものが、マザコンの代名詞のようにもなった。

【画像】いまだに「冬彦さん」と言われ… 思い語った佐野史郎

「みるみる社会現象になっていくのが実感できました。野際さんや佐野さんばかりでなく、布施博さんに橋爪功さん、高田敏江さんといった芸達者な皆さんの演技に日々圧倒されながらも、刺激をいただきました」

 撮影現場では、君塚良一脚本のもと、それぞれのスタッフや出演者らがアイデアを出し、台本にない場面やセリフもたくさん生まれたという。

「プロデューサーや監督も、どうやったら視聴者をより引き付けられるのかということを本編だけでなく次回予告に至るまで、常に考えていらっしゃるほどで、勢いそのままでありながらも丁寧に、時間やエネルギーも贅沢に費やして作られた作品でした」

 翌93年には、続編的存在の「誰にも言えない」が放送された。賀来さんと佐野さんは今度は夫婦役ではなかったが、やはり賀来さんに執着する佐野さん演じる「麻利夫さん」が話題となり、30%超の高視聴率を連発した。

「あれだけの作品の第2弾でしたから、気合と緊張感、いい意味で前作を超えたいという気持ちがみんなの中にありました。インターネットやSNSもない時代にあそこまで盛り上がったのですから、本当に怪物的な作品だったのでしょうね。のちに佐野さんが、『千香ちゃんだから、ああいうことができた』と言ってくださったことがあって。私ももちろん佐野さんがお相手だったからできた芝居や間だったのだと思っています。野際陽子さんも、(当時でも)あれだけのベテランでいらしたのに、常に年下の私たちと気さくにお稽古やおしゃべりなど時間を共にしてくださって、そんなところが野際さんのすごさだと感じたことをよく覚えています」

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