日ハム・吉田(左)、中日・根尾 (c)朝日新聞社
日ハム・吉田(左)、中日・根尾 (c)朝日新聞社
ロッテ・藤原(左)、広島・小園 (c)朝日新聞社
ロッテ・藤原(左)、広島・小園 (c)朝日新聞社

 評価が急上昇していると言われているのが広島の小園海斗(報徳学園)だ。同じ遊撃手の中日・根尾昂(大阪桐蔭)と比較されることが多いが、根尾は高校時代に投手と遊撃手の二刀流だったのに対し、小園は生粋の遊撃手で2年夏に18歳以下の日本代表で正遊撃手を務めている。軽快なフットワーク、強肩は高校レベルで飛びぬけていた。ドラフトで広島、オリックス、DeNA、ソフトバンクと根尾と同じく4球団が競合したことから、プロの評価の高さがうかがい知れる。

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 堅守に加えて打撃でも強烈にアピールした。2月24日のオープン戦・DeNA戦(沖縄・宜野湾)では昨季セーブ王に輝いた山崎康晃の伝家の宝刀・ツーシームをはじき返す左前打。緒方孝市監督が「他の選手と比べても見劣りしない。それ以上のものを出してくれている。落ち着きが出てきている」とうなるほどだ。

 将来の主軸と期待されるロッテの藤原恭大(大阪桐蔭)も評価を上げている。中学時代は大阪の強豪・枚方ボーイズで小園と切磋琢磨し、大阪桐蔭では根尾と互いに高め合った。小園、根尾に負けたくない思いは当然強い。将来はトリプルスリーを狙える逸材として球団の期待も大きい。オープン戦では中堅で起用され、俊足を生かした守備範囲と強肩でアピール。打撃でも高校時代のフルスイングを貫き、高校時代の金属から木製バットに変わっても鋭い打球を飛ばしている。選球眼の良さで四球を選べるのも大きな武器だ。

 ロッテの外野陣は角中勝也がレギュラーで確定しているが、残り2枠は競争になる。藤原もオープン戦で結果を残し続ければ、開幕1軍メンバー入りはもちろん、高卒ルーキーでは球団史上54年ぶりの開幕スタメンに抜擢される可能性が十分にある。

 大阪桐蔭では投手と遊撃の二刀流で甲子園春夏連覇に貢献した中日・根尾は1月の自主トレで右ふくらはぎの肉離れを発症。1軍キャンプでスタート予定だったが、2軍キャンプで1カ月間を過ごした。患部の状態を考慮して別メニューで調整を進めていたが、2月25日に2軍キャンプの本体に合流した。周囲の期待とは裏腹に我慢を強いられる1カ月間だったが、将来を考えると得ることが多かっただろう。2軍キャンプでは守備の名手で知られた荒木雅博2軍内野守備走塁コーチが連日マンツーマンで守備練習を指導。足の運びや、捕球から送球までの一連の流れでまだまだ修正点が多い。1軍昇格は出遅れている感がある。

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