人間なら、誰しも母親がいる。だからこそ、母と子の関係は、洋の東西や時代を問わず、普遍的なテーマとなり、様々な形で表現されてきた。

「母親との関わりというのは、人間が最初に抱えるトラウマなんじゃないでしょうか。私の母は、働くことが好きな人で、私はずっと鍵っ子でした。そのせいか反抗期も長かった。私が、大人になって子供を持つことに抵抗があったのも、小さい頃に家庭の温かみを感じていなかったせいかもしれない。でも、今は、昔バラバラに過ごした時間を取り戻すように仲良くしてます(笑)。この作品は世界のどこにいても上演できる作品。自分がどう生きていくか、考えるきっかけになる作品だと思います」

(取材・文/菊地陽子)

週刊朝日  2019年2月15日号