田原:でも、日本の国民負担率は約42%とまだ低く、ドイツやフランスは50%以上だよ。

橋下:国民負担率だけを考えたらだめですよ。給付の額も見ないと。日本は現役世代への税投入が不十分です。たとえばOECDの世界先進国の中で、教育費に投じる税の割合は最低レベルですよ。「これだけ給付をするから、その分、負担してほしい」と言わなくちゃいけない。

田原:僕は政権にちゃんと説明しろと求めている。

橋下:僕はせっかく景気回復の兆しが見える中、今は消費税を上げなくていいと思っています。

田原:ヨーロッパはどこも消費税は20%以上だよ。

橋下:消費税を所得の再分配である社会保障に使うというのは、根本的に理論が間違っています。金持ちからお金を取って弱者に渡さないと。分配は所得税のほうを累進課税でやるべきです。消費税は住民サービスを受ける対価としての応益税。これは地方自治体の財源にすべきであって、そういう意味で社会保障に使うために消費税を増税することには反対です。そして政治批評で一番重要なことは、政治を評価する指標をしっかりと示すことです。田原さんは政治においてどの指標を重視されていますか。僕は失業率です。

田原:いま失業率は3%を切って低いでしょう。

橋下:長女がこの間、就職しました。いま若い世代はほぼ就職できるので、若い世代は安倍政権を転覆させようなんて思っていないんです。

田原:大卒就職率は98%でみんな就職できる。でも失業率はトランプ政権のアメリカだって低いよ。失業率はどうでもいい。

橋下:どうでもよくないですよ! 韓国の若者の失業率は10%以上ですよ! フランスもそうです。先進国の中で日本はマシだってことです。有権者は現状への不満を基に政治を評価します。その評価基準・指標で重要なものはモリカケ問題ではなく、失業率なんです。

(本誌・秦正理、田中将介、緒方麦)

※週刊朝日 2019年2月8日号より抜粋

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