日経平均株価は昨年12月から乱高下している (c)朝日新聞社
日経平均株価は昨年12月から乱高下している (c)朝日新聞社
武者陵司氏
武者陵司氏

 日本経済はどうなるのか。昨年末の株価急落で不安になった人たちも多い。本誌はあえて、あっと驚く「最強シナリオ」を示そう。荒唐無稽と言うなかれ。専門家によれば、長期的には大幅な成長が見込まれ、日経平均株価がいまの5倍近くになるのも夢ではないというのだ。

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 足元では経済の先行きに不透明感が増している。株価の指標となる日経平均は、昨年12月25日の取引時間中に2017年9月以来、約1年3カ月ぶりに2万円割れの水準まで急落。27日には大幅反発で2万円を回復したが、株式市場の動揺は続いている。

 米国の景気がピークを過ぎたとの見方が強まり、米中の貿易摩擦もあって、世界的に景気は下り坂だ。

 しかし、投資情報会社「武者リサーチ」代表の武者陵司氏は、こうした悲観的な見方を一蹴する。国内外の大手証券会社で調査部門を経験し、長年金融市場を見てきた専門家だ。

「19年は日本が本当に復活を遂げる始まりの一年になるでしょう。株価も力強く上昇し、日経平均は3万円に達する可能性が十分あります」

 今年は4月30日に天皇陛下が退位し、新しい元号が始まる。平成の終わりが、日本株を見直すきっかけになると指摘する。

「第2次大戦後、昭和の後半40年間は大きな成長を遂げました。これに対し、平成の30年間は、GDP(国内総生産)など経済指標をみると大停滞の時代と言ってもいい。だが、見方を変えれば、停滞している間に、昭和後半にできた制度や混乱を、少しずつ整理・消化してきたとも言えます。新しい時代に向け、発展していくための条件がようやく整ったのです」(武者氏)

 武者氏が注目しているのは、日本企業の富を生み出す力だ。

 日本企業の収益力は高まっている。財務省が18年9月に発表した4~6月の法人企業統計では、会社の稼ぐ力を示す売上高経常利益率が全産業で7.7%、製造業が10.6%と過去最高を記録した。

 どれだけ効率的に稼いだかを示す自己資本利益率(ROE)は、上場企業全体で17年度に9.1%となり、過去最高水準だ。

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