日本経済の将来が明るいことをみんなが理解すれば、株価は上昇する。いまは株などに投資して損をするのが怖くて、金利がほぼゼロでも銀行に預けている人が目立つ。「貯蓄から投資へ」の流れのなか、巨額の個人金融資産が株式市場に流れ込めばどうなるか。

 日本銀行の資金循環統計によると、個人が保有する金融資産は18年9月末時点で1859兆円にもなる。そのうち「株式等」は209兆円で全体の1割程度。投資信託の74兆円を合わせても、投資に振り向けられている資金は15%程度にとどまる。個人金融資産の半分以上にあたる968兆円が現金や預金だ。武者氏はこの1千兆円近いお金が投資にまわることで、株価が急騰するとみている。

「株式は配当が年数%程度はあり、金利がゼロ%近い預金よりも有利。日本にはいい会社が多いのに投資は少なく、株価は割安に放置されていました。新しい時代が始まり、個人の投資姿勢も是正されるはずです」

 武者氏は、日経平均株価が年平均10%ずつ上昇していけば30年代に10万円を突破するのも、「過大な予想ではない」と言い切る。(本誌・経済取材班)

週刊朝日  2019年1月18日号より抜粋