東大駒場キャンパスの学祭では稲井被告が「卑猥飲料」を販売し、物議を醸した
東大駒場キャンパスの学祭では稲井被告が「卑猥飲料」を販売し、物議を醸した

 最難関の東京大学と、日本を代表する私立の慶応大学の「ミスター候補」が相次いで性犯罪の容疑者として逮捕される事件が起きた。高学歴エリートの“チャラ男”たちの度が過ぎた行為は、あまりにも惨めだ。

 あの東大生ユーチューバーが……。強制性交等罪で起訴された稲井大輝被告(24)は、ユーチューブのチャンネル登録者数4万7千人、動画視聴回数は延べ1300万回に及ぶ、ちょっとした有名人だ。

 東大経済学部の稲井被告は9月15日未明、東京都新宿区にある自宅タワーマンションのエレベーターで遭遇した女性を部屋に連れ込み乱暴、強制性交などの容疑で逮捕され、10月5日に起訴された。

「未明に起きた事件でした。30代の女性をベッドの上に投げ倒した上、嫌がるのに肩を押さえ、下着を脱がし、暴行を加えたのです」(捜査関係者)

 稲井被告は1年ほど前から、マスク姿の銀髪のユーチューバーとして、ナンパ企画やセクシー女優と共演する動画をアップ。ユーチューブの概要欄には「サイテー東大生 稲井大輝がYouTubeを始めました!動画は消される前に観てな!」とあった。

 そのユーチューブ動画は、渋谷でナンパして女性の乳房の谷間にチョコレート菓子を挟み、顔をうずめて食べるゲームをしてみせたり、江の島の海水浴場でビキニの女性たちに話しかけ、女性の股関節にサンオイルを塗っていたりと、「やりたい放題」の内容である。そうかと思えば、札束を積み上げ、1皿1万円のウニを食べたと、「金持ち自慢」とも受け取れるツイートも散見された。

 メディアにもたびたび登場していた。インターネットテレビの討論番組には、「性産業の市場活性化を掲げる現役東大生」として出演。「性犯罪は顔や名前を公表すべきだ」と議論を交わしていた。

「おふざけ」は続く。昨年の東大駒場祭では「東大アダルト研究所」として「母乳カルピス」など卑猥(ひわい)な名の飲み物を提供し、運営委員会から厳重注意を受けるなど、物議を醸した。

 そんな稲井被告だが、進学校として知られる駒場東邦高校を卒業後、1浪して東大に入学。予備校の合格者の声を紹介する欄に「素質が大事」と書いていた。両親は歯科医で、稲井被告の実家の近所の人は「父親は厳格な人」と語っていた。

 稲井被告は受験生に向け、東大についてこう語りかけていた。

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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かつて受験生に語った言葉