来年の5月には、元号が変わる。

「今がどういう時代かといえば、間違いなく『平成が終わる』時代。“平成最後の○○”の時代です」と、牛窪さんは言う。

 時代の区切りへの意識も、今年の流行語に大きく作用したのではとのことだ。石原さんも同様の意見だ。

「平成が終わることを意識することで、ひとつの時代が終わる感覚が生まれる。そんなロスニーズに、平成を代表するアーティストである安室奈美恵さんの引退はまさにぴったりはまったと思います」

 安室奈美恵、貴乃花親方の引退、さくらももこさんの訃報、モーニング娘。吉澤さんの事故など平成という時代を象徴する存在の人々がいろんなかたちで去っていった年でもあった。

「日本の人口は2008年をピークに減少に転じています。平成最後の年の流行語は、平成という時代を振り返るときの分水嶺を示す道しるべになることでしょう」(西川氏)

 混乱と混迷が続く時代だからこそ。石原さんはこう力説する。

「やっぱり今年は『そだねー』ですね。こっちのほうがいいんじゃないかなと思っても、とりあえず『そだねー』と言うことで、すべてを包み込んでくれるような気にさせてくれる。そんな不思議な魅力がある言葉でした」

 そんなわけで、今年もあと2カ月ちょっと。ご本家の年間大賞にどんな言葉が選ばれるのか楽しみにしつつ、2018年の流行語先取りナンバーワンは、“そだねー”に「勝手に」決定しました。「そだねージャパン」の皆様、記念品や賞状など贈れずにすみませんが、とりあえず、“そだねー”と笑いとばしておいてください(笑)。(本誌・太田サトル)

【週刊朝日が選ぶ 2018年の流行語30】(※順不同、カッコ内は話題の中心)
「そだねー」(カーリング女子日本代表)
「ゆづしょま」(羽生結弦・宇野昌磨)
「大迫、半端ないって」(サッカー日本代表・大迫勇也)
「ケイスケ・ホンダ」(サッカー日本代表・本田圭佑)
「オオタニサーーン」(大谷翔平・米大リーグ実況アナ)
「金農」             (秋田県立金足農業高校)
「大坂フィーバー」(大坂なおみ)
「全員野球内閣」(安倍晋三首相)
「働き方改革」(厚生労働省)
「貿易戦争」(トランプ大統領)
「築地と豊洲」(小池百合子東京都知事)
「ブラックアウト」(北海道胆振東部地震による停電)
「悪質タックル」(日本大学アメフト部)
「#MeToo」(Twitterなど)
「紀州のドン・ファン」(故・野崎幸助さん)
「スーパーボランティア」(尾畠春夫さん)
「ZOZO前澤社長」(前澤友作社長)
「脱走・逃走」(平尾龍磨容疑者 樋田淳也容疑者)
「安室ロス」(安室奈美恵)
「ダサかっこいい」(DA PUMP)
「おっさんずラブ」(田中圭・吉田鋼太郎・林遣都ら)
「ギボムス」(TBS系ドラマ「義母と娘のブルース」)
「ボーっと生きてんじゃねーよ!」(NHK「チコちゃんに叱られる!」)。
「カメ止め現象」(映画「カメラを止めるな!」)
「ハズキルーペ、だぁい好き(ハート)」(菊川怜・渡辺謙ほか)
「はい、ひょっこりはん」(ひょっこりはん)
「そろり、そろり」(チョコレートプラネット)
「TikTok」(スマホ動画アプリ)
「マサル」(秋田犬マサル)
「平成最後の○○」(Twitterほか)

週刊朝日  2018年11月2日号より抜粋