実力だけでなくスター性も評価される、高校球界ナンバーワン投手の金足農吉田 (c)朝日新聞社
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 高校球界ナンバーワン投手と評価される金足農の吉田輝星が、ついにプロ志望届を提出する決意を固めた。プロ野球ドラフト会議では、意中の球団とされている巨人をはじめ、競合は必至とみられ、スター性を兼ね備えた逸材の行方に熱い視線が注がれている。

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 金足農の吉田輝星は、10月2日に福井国体を終え、今後の進路について記者団に聞かれると、「後悔しない道を選びたい」と答えていたが、地元秋田に戻り、4日夜までに両親や中泉一豊監督らと話し合い、プロ志望届を提出する意思を固めたという。

 吉田は八戸学院大の正村公弘監督から熱心な指導を受け、投手として開眼したこともあり、同大への進学が既定路線とされていた。だが甲子園大会でその実力を全国に知らしめ、プロ球団からも高く評価されるようになり、進路を巡り、周囲が過熱し始めた。

 U18アジア選手権では甲子園大会の疲労が残っていたのか、負けにつながる失点を繰り返し、チームメートとなった大阪桐蔭の根尾昂や藤原恭大らと比較しながら、自身の練習の質などについて反省するなど、「弱気」とも受け取れる発言が見られた。

 しかし、福井国体では5イニングを投げ、11奪三振と、復調をアピール。吉田の両親らは「本人の意思を尊重したい」と語ってきたこともあり、プロ志望宣言は間近ともみられていた。くしくも吉田が決意した4日は、「将来また対戦したい」と熱望する大阪桐蔭の根尾ら4人がプロ志望届を提出した日でもある。

 吉田は100回記念となったこの夏の甲子園大会で決勝まで進み、“主役級”の活躍を見せた。

 秋田大会で5試合43イニングを完投し、57三振を奪って甲子園の切符を手に入れた吉田は、勢いそのままに準決勝まで圧巻の投球を披露。打者の手元で上がってくる直球に「あんな球は見たことがない」と脱帽するコメントが相次いだ。

 プロ志望届を提出する吉田を巡っては、複数のプロ球団から指名候補として名前が挙がっている。

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