春風亭一之輔が開眼? 穴と毛から教わった笑いの真髄 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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春風亭一之輔が開眼? 穴と毛から教わった笑いの真髄

連載「ああ、それ私よく知ってます。」

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春風亭一之輔週刊朝日#春風亭一之輔
春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)/1978年、千葉県生まれ。落語家。2001年、日本大学芸術学部卒業後、春風亭一朝に入門。JFN系FM全国ネット「サンデーフリッカーズ」毎週日曜朝6時~生放送。メインパーソナリティーで出演中です

春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)/1978年、千葉県生まれ。落語家。2001年、日本大学芸術学部卒業後、春風亭一朝に入門。JFN系FM全国ネット「サンデーフリッカーズ」毎週日曜朝6時~生放送。メインパーソナリティーで出演中です

(イラスト/もりいくすお)

(イラスト/もりいくすお)

 3日後、穴が倍の大きさになっていた。誰だ、触ったのは!? ん? 俺か? どうしよう。とりあえずちょっと距離をおいて眺めてみる。穴はすでに真ん丸でない。よく見ると、『サザエさん』の波平さんの顔型に似ていた。まるで『トムとジェリー』のトムのように壁に突撃して、波平型にぶち抜いたみたい。

「……毛を付けてみようかな」 部屋の片隅に落ちていた縮れっ毛を、「波平穴」の頭頂部あたりにセロハンテープで貼ってみた。より一層「波平感」が増した。ニヤリ。「増やしてみる?」。毛を2本、鬼の角のように貼って、またニヤリ。3本、放射状に生やしてみたら、なかなか笑える。「もういっそのこと……」。10本にしたら笑いが止まらなくなった。もっと貼ったらもっと面白いのか? 辺りから毛をかき集め、足りない分は引き抜いて、貼りまくったらちょっと微妙なかんじになってしまった。「10本が限度か……」。『笑いは、ほど』ということをこの穴に教えてもらったのだ。芸人として、また一回り大きくなったようだ。

 なんの気なしにもう一度穴を覗いてみたら、「ひまか」という3文字が闇に浮かんで見えた気がした。

週刊朝日  2018年10月5日号


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春風亭一之輔

春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)/1978年、千葉県生まれ。落語家。2001年、日本大学芸術学部卒業後、春風亭一朝に入門。新刊書籍『春風亭一之輔のおもしろ落語入門 おかわり!』(小学館)が絶賛発売中!

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