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歯周病はいろいろな病気につながる(週刊朝日2018年9月28日号から)
歯周病はいろいろな病気につながる(週刊朝日2018年9月28日号から)

 口臭はいびきや歯ぎしり以上に、相手に指摘しにくい。「口がくさい」と言われれば、誰でも傷ついてしまう。でも、病気を治すきっかけになるなら、少しはなぐさめにもなる。

【図で見る】歯周病はいろいろな病気につながる

 口臭の大半は歯周病や虫歯が原因だ。歯周病は中高年の8割がかかっているとされ、ありふれた病気だが、様々な病気につながることがわかってきた。脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病はもちろん、誤嚥(ごえん)性肺炎といった死に至る病気を患うリスクがある。東京銀座シンタニ歯科口腔外科クリニックの新谷悟院長はその仕組みをこう語る。

「歯肉が腫れているところは、歯周病菌が毛細血管から入って、炎症を起こしています。炎症性物質が全身にまわれば、脳や心臓の血管にダメージを与えるのです」

 歯周病の人は健常者より脳梗塞のリスクが、2.8倍高いという研究もある。

 免疫力が低下した高齢者の命を奪うのが誤嚥性肺炎だ。

「口腔内が歯周病菌だらけだと、誤嚥したものに細菌が付着してきてしまう。そこで一気に細菌が繁殖して肺炎を起こします」

 歯周病の怖さがわかれば、口臭にも敏感になる。人から指摘される前に気づきたいものだが、新谷院長は簡単な方法があるという。

「デンタルフロスを歯と歯の間に入れ、汚れをこすり上げるようにとってみてください。その汚れにうみの臭いがしたり、血が付いていたりすれば歯周病のサインです」

 歯周病を予防するには、毎日の歯磨きと定期的な受診で口腔衛生を保つ。

「歯ブラシでは6割しか汚れを落とせないので、1日1回はデンタルフロスをかけましょう。汚れは歯石となって蓄積していくので、定期的に歯科で取り除いてもらうことも必要です」

 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の人は口呼吸になり、殺菌作用のある唾液(だえき)が減る。そのため歯周病が悪化して、口臭もひどくなることがある。SASの治療は命を守るだけでなく、口臭予防にもなるのだ。

 歯科医は定期的に訪れる患者の口の状態に、変化がないかどうかチェックしている。都内の会社員男性(45)は月に一度訪れている歯科医から、こんなことを言われた。

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