複数回結婚が珍しくなくなる時代。

 過去に7度の結婚と離婚を経験、子供は連れ子を含めれば20人という、先駆者的存在(?)、“ビッグダディ”こと林下清志さんはこう明かす。

「結婚する前に、5人、6人とお付き合いして、7人目で結婚する人だっていますよね。俺の場合は、毎回結婚している。それだけなんです。彼氏や彼女という、不安定な関係には全く興味がなかったんですよ。ですから、むしろ真摯な生き方をしてきたのかもしれませんよね(笑)」

 複数婚について持論を展開するが、過去の結婚についてはこう語る。

「何度も結婚と離婚を繰り返してきたことで、人生の落伍者みたいに言われたことも多いですが、離婚や再婚で戸籍が汚れるという考え方も、長寿の時代である今ではそぐわなくなってきていると思います。俺は過去の結婚で一度も浮気はしていませんし、元の嫁とは誰とも仲は悪くない。子供も誰もやさぐれたりしませんでした」

 7度の結婚、離婚を経て感じたことを、しみじみこう語る。

「10代、20代ではわからなかったことが、50を過ぎてからわかることもある。精神的なよりどころを相手に求めたくなる部分は出てきますよね。熟年以降での結婚、パートナーを求めることはみっともないという視点でまだまだとらえられる世の中だとは思いますが、自分と相手の幸せのために、どんどん何回も結婚することが当たり前の世の中になっていくと思っています」

 ビッグダディも岡野あつこさんも、自身の幸せのための複数回の結婚だと語る。岡野さんはこう言った。

「複数回結婚するということは、それだけの離婚や死別も経験しているということ。そのぶん、人生を学んでいるんですね。学んだ経験を生かして、あきらめずに幸せを求める。幸せを何度も追求しているんです」

(本誌・太田サトル)

週刊朝日 2018年6月22日号