西野朗監督(撮影/大塚 淳史)
西野朗監督(撮影/大塚 淳史)
外務省は、代表メンバー発表会見会場で、ブースを出展して「ゴルゴ13」の海外渡航安全対策マニュアル本を配布(撮影/大塚 淳史)
外務省は、代表メンバー発表会見会場で、ブースを出展して「ゴルゴ13」の海外渡航安全対策マニュアル本を配布(撮影/大塚 淳史)

 5月31日、日本サッカー協会は、サッカーワールドカップロシア大会(W杯)の日本代表メンバーを発表した。監督就任後、代表・西野朗監督にとって“大仕事”となる代表メンバーの選出だが、注目の本田、香川、岡崎らは順調に選ばれた一方で、若手の浅野や井手口、三竿といった選手が落選した。

【写真】会場で鋭い視線を見せるゴルゴ13はこちら

 W杯メンバー発表では、いわゆる注目選手が落選する「サプライズ」がこれまでも起きていたが、今回は比較的順当な選出とも言えよう。だが、発表会場となった都内ホテルでは、報道陣受付の近くでちょっとしたサプライズがあった。会場に出されていたブースには、漫画「ゴルゴ13」が並べてあるのだ。出展したのは、外務省だった。

 外務省は2017年3月、ホームページ上で、漫画家さいとう・たかをさんの許可を得て、ゴルゴ13の作品を引用しながら海外渡航の際の注意喚起をした漫画を公開した。そして、海外安全対策マニュアルの漫画本「ゴルゴ13✕外務省」も作成し、17年6月から無料配布している。現在は動画版もホームページで公開している。

 外務省は、代表発表会見会場でブースを出し、前述のゴルゴ13の漫画を200冊並べ、会見に訪れた記者やカメラマンに無料で配布していた。

 4年に1度開かれる世界的な祭典は、日本人も毎大会、現地観戦に1万人近く訪れるという。一方で、毎回問題になるのが、安全面だ。現地で強盗や物盗りにあう日本人が絶えない。ワールドカップを現地取材する記者やカメラマンたちも、例外でない。前回ブラジル大会でも、一眼レフカメラを一式盗まれたりなど被害にあった記者もいた。

 鋭い眼光の「ゴルゴ13」が表紙の安全対策マニュアル漫画は、厚さ1センチを超える。安全対策に必要なことや、対策、いざという時の連絡先、情報収集の大切さなどを、ゴルゴ13の漫画を通して紹介している。

「漫画は、さいとう・たかをさんの許可を得て、過去の作品のカットを切り貼りして作りました。ゴルゴ13ファンからも好評のようです」(外務省の担当者)

次のページ