北原みのり「セクハラ罪、つくりますか。」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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北原みのり「セクハラ罪、つくりますか。」

連載「ニッポン スッポンポンNEO」

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北原みのり週刊朝日#北原みのり

北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。作家、女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表

北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。作家、女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表

「セクハラ罪、つくりますか。」(※写真はイメージ)

「セクハラ罪、つくりますか。」(※写真はイメージ)

 作家・北原みのり氏の週刊朝日連載「ニッポンスッポンポンNEO」。今回は、「男らしさ」について。

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「セクハラ罪という罪はない」と麻生さんは言い、記者に真意を問われれば「事実を言っただけ」と開き直った。要は被害者が司法に訴えてないんだから罪にはならないんだよ、と。

 90年代半ばに誰もが知る某有名企業に入社した友人は、入社してすぐ、男性社員が女性社員を後ろから羽交い締めにし、別の男性社員が女性の胸を触る“ゲーム”を目の当たりにした。友人は私に泣きながらその話をしてくれたが、辞める選択も訴える選択もないと言った。過酷な就職活動の末に受けとった正社員の切符は、ただ黙り目をつむることで守るしかないと考えたのだ。

 私の学生時代。アルバイト先の休憩室で本を読んでたら、同じ部屋で社員の男たちが風俗体験談をはじめた。私が本をパタンと閉じると、「若い女性にしかできないことだよ。俺だったら働くな」と言って笑っていた。しばらくして私はアルバイトを辞めた。

 屈辱と暴力は和やかな笑いの中でおきることもある。軽やかな「からかい」、男たちの「お遊び」によって女は刺される。だけど「やめろ」と反撃すれば、いや反撃せずに嫌な顔しただけでも「楽しんでたくせに」「被害者意識が強い」と現実をずらされ攻撃される。いったいそんな悔しさから無傷の女は、どれだけいるのだろう。やはり、セクハラ罪、つくりますか。


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