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今なお収束しない「森友・加計問題」。ジャーナリストの田原総一朗氏がこの問題について安倍首相を批判する。
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森友・加計問題は、安倍政権の一強多弱の時代が長く続いたことで、神経がゆるんでしまったために起きたのだろうと捉えている。とくに加計学園の獣医学部問題は、そのことがはっきりしている。
獣医学部新設の認定についての諮問会議を始めるにあたり、安倍首相が「加計孝太郎氏とは40年来の友人である。だからといって認定を甘くするな。厳しくやってほしい」と言っていれば何の問題もなかった。特別に加計氏から賄賂を受け取っているわけでもなく、それに厳しくやってほしいと言ったって、どうせ忖度するのだから……。「何も知らない。2017年1月20日に決着するまでまったく知らなかった」なんて言うから大問題になっているのである。面倒くさいから、知らないことにしよう、と考えたのだろう。
安倍首相がそう言っているために、柳瀬唯夫元首相秘書官は国会で「記憶にありません」などという答え方しかできないでいるのである。
今年4月になって、愛媛県や今治市の職員、そして加計学園の幹部たちが、15年4月2日に首相官邸に行った際、柳瀬氏が面会して、加計学園の獣医学部について「首相案件」だと語ったという事実が愛媛県の文書に書かれていることが判明した。この文書は農林水産省にもあり、何と内閣府が、柳瀬氏が面会する予定を語っていたことが、文部科学省の記録で確かめられている。
国民のほとんどは柳瀬氏がウソを言っていると判断せざるを得ないであろう。私は、柳瀬氏が経済産業省の課長時代からよく知っている。真面目で優秀な人間であった。その柳瀬氏をこのような立場に追い込んでいるのは安倍首相である。
また、森友学園問題にしても、3月2日に朝日新聞が、財務省が国有地売却についての決裁文書を改ざんしている、と報道しなければ、うやむやの中で、過去の事件として終わるはずであった。朝日新聞の報道が、大きく火をつけたのである。
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