松岡絵里(まつおか・えり)(右)/1976年、京都府生まれ。小学校時代を台湾、フィリピンで過ごす。早稲田大学社会科学部在学中に旅に目覚め、アジア各地を放浪。出版社勤務を経て2002年に結婚。16年から船旅雑誌「CRUISE」編集長を務め、現在は育休中。著書に、世界各地の市場を紹介した『世界の市場』(国書刊行会)、『世界も驚くニッポン旅行100』(友和さんとの共著、PHP研究所)などがある。吉田友和(よしだ・ともかず)(左)/1976年、千葉県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。出版社に就職。2002年に結婚し、「世界一周新婚旅行」に出発するため、寿退社。同年7月から1年8カ月間かけて世界一周をし、05年に絵里さんと共著で『世界一周デート トモ&エリの607日間ハネムーン』を出版。旅行作家として国内外を旅しながら執筆を行う。近著に『東京発 半日旅』(ワニブックス【PLUS】新書)、『沖縄プチ移住のススメ』(光文社知恵の森文庫)などがある。(撮影/写真部・小山幸佑)
松岡絵里(まつおか・えり)(右)/1976年、京都府生まれ。小学校時代を台湾、フィリピンで過ごす。早稲田大学社会科学部在学中に旅に目覚め、アジア各地を放浪。出版社勤務を経て2002年に結婚。16年から船旅雑誌「CRUISE」編集長を務め、現在は育休中。著書に、世界各地の市場を紹介した『世界の市場』(国書刊行会)、『世界も驚くニッポン旅行100』(友和さんとの共著、PHP研究所)などがある。
吉田友和(よしだ・ともかず)(左)/1976年、千葉県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。出版社に就職。2002年に結婚し、「世界一周新婚旅行」に出発するため、寿退社。同年7月から1年8カ月間かけて世界一周をし、05年に絵里さんと共著で『世界一周デート トモ&エリの607日間ハネムーン』を出版。旅行作家として国内外を旅しながら執筆を行う。近著に『東京発 半日旅』(ワニブックス【PLUS】新書)、『沖縄プチ移住のススメ』(光文社知恵の森文庫)などがある。(撮影/写真部・小山幸佑)

 旅行作家で編集者の吉田友和さんとライターで編集者の松岡絵里さんは、新婚旅行で607日かけて世界一周した夫妻だ。帰国してから妻はフリーランスとして働き、夫は元の出版社に再雇用され、サラリーマン生活に戻った。だが、一度火のついた「旅行熱」は収まらない。

「結婚よりも世界一周がしたかった? ある編集者夫婦の場合」よりつづく

*  *  *

夫:帰ってすぐに「また行きたい」「もっと行きたい!」と思うようになったんです。でも当然、平日は仕事があるので、なかなか思うように行けない。

妻:私はフリーランスとして雑誌の旅行ページを書く仕事をしたり、けっこうあちこちに行けたので、割と旅行欲は満たされていたんですけどね。

夫:僕は仕事の合間に週末2泊3日で一人で旅行するようになったんです。それが『週末海外!』という本にまとまった。その後も旅行作家として個人の仕事がどんどん増えていった。それで2010年にフリーになる決心をしました。

妻:すごく思い詰めた感じで「……会社、辞めようと思うんだ」って言われたのを覚えてる。私は「まだ二足のわらじでがんばってたんだ? 早く辞めちゃえば?」って感じで(笑)。

夫:ちょうど彼女が逆にフリーをやめて、船旅雑誌「CRUISE」で編集者として勤務し始めていたんです。だから交代したという感じでした。

――二人ともライター・編集者であり、同じ「旅」というテーマを扱う、いわば同業者。やりにくさはないのだろうか?

夫:特にないですね。基本的にお互い協力体制で、「この場所の写真、持ってない?」とかよく言われます。

妻:結婚したときから一緒に仕事し始めたようなものなので「慣れ」かも。

夫:それにお互い、あまり突っ込まないようにしてるよね。相手の原稿のチェックとかもするけれど、あまり細かくいろいろ言わない。

妻:協力をしてほしいときは申請する、それ以外は口を出さない、みたいなものが不文律としてある。

夫:たまに「この場所、僕行きたかったのに、先に行かれた!」っていうことはありますね。

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