妻:筋を通すというか、粘り強さがある。静かに、何も言わずに、決めたことを実行するタイプ。でも二人とも割と楽天的なところは似ているね。

――最近、若者が旅行に行かなくなったと言われる。特に海外はテロなど危険が高まっている印象もある。

夫:たしかにテロの危険性はあるとは思うけど……。

妻:うーん、でも昔から危険は変わってないんじゃないかなと思う。旅行には常に危険はつきまとうもの。テロよりも財布をすられたり、強盗にあったり、そういうことのほうが実際は多いですからね。特に最近、そうした危険が増えたとは思わない。

夫:そうだね。

妻:よく「旅に出て、何を得られますか」と聞かれることがあります。でも私たちにとって、旅は「あくまでもエンターテインメント」。何かを得るために行く、とは考えない。

夫:旅は基本、「消費活動」だからね。いまの若い人、マジメなんだよね。「何かを見つけるために、旅をする!」とか考えすぎちゃっている気がする。

妻:私たちも結果的に旅から得たものはたくさんあるけれど、やっぱり旅はレクリエーションでありレジャー。世界というワンダーランドが広がっているんだから、行ってみたら楽しいよ!と。これが私たちのスタンスなんです。

夫:知らないことを知りたい、見たい、味わいたい。それがすべてですね。

――世界中を見てきた二人が、最後に住みたい場所は?

妻:やっぱり沖縄か、タイかな。

夫:あるいは台湾かな。やっぱりアジアが好きだし、暖かいところがいいですね。

妻:この間、二人で話していたんです。私たち夫婦は新婚旅行の世界一周が「第1章」。その後の二人だけの生活が「第2章」で、子どもが生まれたいまは「第3章」、子育てが終わったら「第4章」が始まるね、と。

夫:ゆくゆくは「子連れで世界一周」したいね。

妻:「老後の世界一周」もしたいなという気がする。

夫:まだまだ、旅のネタはつきません。

(聞き手・中村千晶)

※週刊朝日 2018年4月27日号より抜粋