腕を上げたり下げたり、ひねったり、ボールを投げたり、こうした動きができるのは肩関節のおかげです。肩には肩甲上腕関節、胸鎖関節、肩鎖関節の関節がありますが、関トレで鍛えるのは、肩甲上腕関節です。


 
 肩甲下筋は肩関節の前方を覆う最も深部にある筋肉です。肩関節が脱臼しないように働いているのがこの筋肉です。隣り合わせについている前鋸筋も一緒に働きます。後ろに手が回りにくい人はこの筋肉の力が低下しています。

 上腕三頭筋は肩関節を外側にねじる際にとても重要な筋肉です。さらに上腕二頭筋という力こぶをつくる筋肉と同時に働くと、肩甲骨に上腕骨を押し付けるように働くため、肩の安定性に非常に強い影響を及ぼします。

 男性ならこの筋肉が発達しているとカッコよく見えます。菱形筋と一緒に働くので、肩を最大限振り上げる際に強く働きますが、そのときに痛みがあるならば この筋肉が低下している可能性があります。

笹川大瑛(ささかわ・ひろひで)/理学療法士。運動理論の研究の傍ら、運動・トレーニング、姿勢改善のセミナーを開催。全国より医療従事者が集まるなど、支持を集める。

※『関トレ 関節トレーニングで強い体をつくる』から抜粋