だが、日本レスリング協会は文書を発表し、告発を真っ向から否定。
〈当協会が伊調選手の練習環境を不当に妨げ、制限した事実はございません〉
〈(田南部氏に)伊調選手への指導をしないよう不当な圧力をかけた事実もございません〉
警視庁も本誌の取材に対し、〈(出入り禁止の)事実はありません。伊調選手の希望があれば従来通り練習に参加することも可能です〉と回答した。
しかし、「告発状」を出した貞友義典弁護士がこう反論する。
「パワハラの事実は明らかです。栄氏は10年にコーチに圧力をかけた際、『伊調がやめても他の選手が育っているからいい』と言ったそうです。これが事実なら、伊調選手をロンドン五輪前に引退に追い込む意図があったことになる。自らの方針に従う選手以外は必要ない、栄氏に近い選手しか日本代表に選ばれないことになります」
内閣府は協会からの聴取も含め検討中だという。(本誌・小泉耕平)
※週刊朝日 2018年3月16日号