せっかく売るなら高く買い取ってもらいたい。どういったポイントがあるのだろうか。まず大事なのは保存状態だ。定期的に手入れし、傷んでいないものが評価される。
「着物は湿気に弱いので、年に数回は干しましょう。タンスにずっとしまったままにしていると、着物に折り目がついてしまうので、定期的にたたみ直しましょう。自分で洗濯するのはなるべく避けたほうがよいかもしれません」(バイセルの担当者)
リゲートの担当者も、
「着物の中の白い生地に抜けない汗染みなどがあると、一気に値段が下がります」
と指摘する。
ほかにも、帯や小物も含め一式そろえておくことも重要だ。バラバラだと、買い取り価格は下がってしまう。
着物には京友禅や大島紬(つむぎ)など産地があり、品質証明書にあたる「証紙」がついている。有名な作家が手がけた高級品もあり、どこで誰がつくったかで値段は変わってくる。
「着物の証紙は絶対に残しておきましょう。人間国宝の作品であれば落款(らっかん)も重要で、あるかないかで値段が大きく変わります」(バイセルの担当者)
人間国宝の作品ともなると、買い取り価格が100万円を超えることもあるそうだ。ほかにも模様などの種類も関係してくる。
「柄には流行がありますが、オシドリやウサギ、猫といった動物の柄の人気が高い。色が美しいものもいいですね」(同)
年齢にかかわらずいろんなシーンで着用できる訪問着は高くなる。
一方で、あまり値段がつかないケースもある。着物を日常で使うことが少なくなったいまでは、「普段着」は需要が少ない。家紋の入ったものも扱いづらい。家紋が入ると格式は高まるが、他人の家紋を身につけるのを避ける人もいる。
複数の買い取り業者に見積もりをとってもらうことも、高い買い取りには有効だ。業者は全国にいて、競争も激しくなっている。電話やネットで申し込めば、自宅まで見積もりに来てくれるので、納得できるまで交渉しよう。「他店より1円でも安ければ全品返却いたします」とうたっているところもある。