担当者が訪問して査定する場面のイメージ=リゲート提供
担当者が訪問して査定する場面のイメージ=リゲート提供
買い取りのポイント(編集部作成)(週刊朝日 2018年3月2日号より)
買い取りのポイント(編集部作成)(週刊朝日 2018年3月2日号より)

 あなたの家のタンスにも宝物が眠っているかもしれない。それは着物。資産価値は推定で20兆円とも言われる。一式で100万円を超える買い取り価格がつくことも。最近ではレンタル業者「はれのひ」の倒産で、成人式などでの着物の役割が改めて注目された。大切なものだからこそ高く売りたい。ポイントをまとめてみた。

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 着物を普段から着る人は少なくなった。成人式や結婚式などのために購入し、数回身につけただけという人が多いだろう。使わなければ手放してもよさそうだが、これまでは「一生モノ」として、しまわれたままになっていた。

 経済産業省が2016年に発表した「第2回和装振興協議会事務局報告資料」によると、着物のリサイクルの市場規模は約305億円。家庭に保存されているものの資産価値は、全体で約20兆円(取得価格ベース)に上ると推定している。

 こうした家庭のタンスで眠っているものを業者に買い取ってもらう人が、ここに来て増えている。

 買い取りサービス大手「スピード買取.jp」は、17年は着物を中心に買い取りの問い合わせが前年比で2割増え、20万件を超えた。運営するバイセルテクノロジーズ(東京)の岩田匡平(きょうへい)・最高経営責任者(CEO)は、急増の背景をこう説明する。

「中古のものを売ったり、買ったりすることに抵抗感がなくなってきています。ヤフオクやメルカリ(フリーマーケットアプリ)などを通じて二次流通マーケットが成長し、利用者の心理的ハードルが下がっているのではないでしょうか。リユース市場全体では、出張買い取りも広がっています」

 総合買い取りサービス「福ちゃん」を展開するリゲート(大阪市)の担当者も、着物の買い取りは増えており、利用者には主に3パターンあると語る。

「ウェブ査定もやっていますが、圧倒的に出張査定が多い。利用者層は40?70代と幅広いですが、一番多いのが40代。結婚したときに両親が持たせたものを、着ることがないまま売ってしまうこともある。両親が亡くなられて遺品整理で呼ばれることや、高齢の方が自分で整理するケースもありますね」

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