「電力事業者は送電網に繋がるすべての発電施設がフル稼働していることを前提に空き容量を計算します。ですが実際には火力は絞ることも多く、太陽光や風力などの自然エネルギーは変動するため、全てがフル稼働なんて起こりえない。万一そうなっても、そのときに抑制すればいいのです」

 欧州ではすでにベースロード電源という考え方をやめ、自然エネルギーを優先して採用する国が出てきている。

「ドイツなど、送電容量に空きが減ってくると原発の出力を絞ります。それに自然エネルギーを止めた場合には補償金を出して、事業者の経営の安定も考えている。日本も見習うべきです」

 日本がこのままでは、世界の潮流から取り残されるばかりだ。(ジャーナリスト・桐島瞬)

※週刊朝日オンライン限定記事