溝端:行きますよ。共演者の方とも行きますけど。

林:みんなに気づかれちゃうでしょう?

溝端:お店の方と友達になるんで、大丈夫です。でも、そういう俳優さん、けっこういますよ。人がワンサカいる立ち飲み屋に「どうもー」って入っていっちゃうとか。

林:へーえ。

溝端:先輩役者のご自宅に遊びに行ったとき、ぜんぜん知らない人がいたので「あの方誰ですか」って聞いたら「知らない」って言うんですよ。同じ店で飲んでた初対面の人に「来いよ」って声かけて、家に上げちゃったらしいんです(笑)。

林:信じられない。奥さん、大変じゃないですか。

溝端:きっと奥さまは、それも覚悟の上で結婚されたんじゃないかと。でも、そういう感覚っていいなぁと思います。自分もそうありたいですね。

林:溝端さんと結婚する方は、お姉ちゃんたちのお眼鏡にもかなわなくちゃいけないから、大変ですね。

溝端:いや、姉貴は僕とやっていける人なら誰でもいいと思ってるんじゃないですかね。姉貴というより、僕と付き合うのが大変だと思います。女性からは「論理的に丁寧に正義を振りかざすから一番タチが悪い」って言われるんですよ。

林:「一緒にいられるだけでうれしい、何でも許すし尽くします」という人だと、もの足りないんでしょう?

溝端:尽くしてほしいわけじゃないんですよね。自分のペースがあるので。

林:彼女とディスカッションするのはいいんですか。「これ、違うんじゃないか」とか。

溝端:はい。むしろ、向こうが「もういい」と言っても、「いや、納得してないだろう。朝まで話そう」って言いますね。

林:私の男友達が奥さんとケンカしたとき、奥さんが譲らないので、彼は「悪いけど明日も仕事だから寝させてもらうよ」と言って、毛布を持って車の中で寝たんだって。そうしたら夜中に奥さんがトントンと窓をたたいて、「途中で寝るのは卑怯でしょう」って。

溝端:僕もそういうタイプです(笑)。

(構成/本誌・野村美絵)

※※週刊朝日 2018年2月9日号より抜粋