「みんな疑心暗鬼ですよ。メールや電話が頻繁に来て、『造反するなよ』『誰に入れるんだ』と、しめつけがすごい。選挙の前日まで会合が入っていますよ。理事選は、立候補して翌日に選挙。政治家のような選挙期間はない。だけど、貴乃花親方は、貴ノ岩の暴行事件について自身の言い分を理事会で配布した“貴乃花文書”を理事選直前にたくみにマスコミに広げ、自身のホームページにメッセージを載せて話題をつくるなど、PRがうまい。それを見て、誘われれば1票を投じる親方がいても不思議じゃない。高砂一門、時津風一門あたりは親方が10人以上いるのに立候補は1人で、1人くらい造反してもどうせ当選するんだからと、結構、他の一門に入れやすいんですよ」

 また、最大派閥の出羽海一門では、貴乃花親方に近いとされる現職理事の山響親方(元幕内・巌雄)も当落線上にいるとみられているという。前出の貴乃花派の親方がこう語る。

「山響親方は厳しい選挙と言われているが、あそこも春日野親方(元関脇・栃乃和歌)が弟子の暴行事件を隠ぺいしていた疑惑が浮上して、ぐらついている。山響親方は、前回の理事長選で貴乃花親方に一票を投じてくれた。本音を言えば、団結できていない八角理事長の高砂一門を崩して、理事長を落選させて2人当選させたいね」

 仮に理事選で八角理事長が落選するようなことがあれば、理事選後に10人の理事による互選で行われる理事長選を待たずして、貴乃花派による“倒幕”が成就することになるのだが……果たしてどんな結果となるのだろうか。

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