平昌五輪マークなどが施された「KTX山川」。山川とは「渓流の女王」と呼ばれる淡水魚ヤマメのことで、列車のフォルムを表現している(撮影/植村誠)
平昌五輪マークなどが施された「KTX山川」。山川とは「渓流の女王」と呼ばれる淡水魚ヤマメのことで、列車のフォルムを表現している(撮影/植村誠)
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 平昌五輪の開幕に向け、韓国鉄道公社(KORAIL)が新路線を開業した。京江線の萬鐘から江陵までの120.2キロ。鉄道空白地帯だった大関嶺などの山岳地帯を横断し、五輪会場にアクセスする。韓国の鉄道旅行を50回繰り返してきた“乗りテツ”のレジャーライター植村誠さん(52)が五輪開幕を待たずに現地に飛んだ。

【写真】貴重!KTX山川のいま

「なんだ、ことごとく売り切れじゃないか!」

 1月13日、公社のウェブサイトの予約画面を開き、あっけにとられた。

 開業したのは昨年12月22日。ご祝儀的な“開通特需”はある程度覚悟していたが、これほど人気があるとは。会場の準備などでソウルと現地を往復する五輪関係者も多いのだろうか。

 乗り降り自由のフリー切符「KORAIL PASS」のみをウェブで決済し、席の予約をしないまま、14日に現地に飛んだ。

 京江線は、日本の新幹線にあたる高速列車「KTX」がソウル―江陵を直通運転している。ただ、ソウル―萬鐘は既存の在来線を通る。新設されたのは萬鐘―江陵だ。萬鐘、横城、屯内、平昌、珍富、江陵の6駅が路線とともに開業している(旧駅の改装も含む)。今回の旅では、その6駅をすべて訪ねてみたい。

 15日の午前7時前、清凉里駅に立った。京江線の列車の一部はソウル駅でなく、こちらが始発駅になっている。

 7時22分発の下り列車に乗り込む。始発なので自由席を楽に確保できた。終点・江陵の到着予定時刻は9時1分。清凉里―江陵の鉄道の旅はこれまで6時間近くかかった。所要時間が3分の1に短縮されたわけだ。

 ただし、今回は一気に終点まで行くことはしない。1日のうちに6駅すべてで下車するには、ダイヤグラムをフル活用し、上下線を効率的に行ったり来たりせねば、途中で日が暮れてしまう。

 列車は「KTX山川(サンチョン)」と呼ばれる。車体のデザインは、日本にも生息する渓流魚ヤマメをモチーフにしたという。駅構内でも「KTXサンチョン」とアナウンスされるので、乗る予定のある人は覚えておくといい。

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