「元々、12月初旬までに長崎大学の招待でフィン事務局長が来日することが決まり、せっかく来日するのだからと、広島、東京も訪問することになりました。そこで、東京を訪問する1月16、17日のいずれかで安倍首相にお会いしたいということを要請した手紙を、こうしたことの窓口である内閣総務官室宛てに12月22日に投函したのです」



 ちなみに、ICANに対して「首相の外遊日程を知っていて、わざと不在の時期に打診したのではないか」と批判する声も挙がっているが、川崎氏は「最初に打診した時点では、首相の外遊日程は把握していなかった」と話す。

「首相官邸の秘書官付きの担当者に問い合わせると、『返事をします』とのことだったが、返答の期限としてお願いしていた1月4日になっても連絡はない。1月6日には、別の日程の件で電話で交渉していた外務省の担当者から、『このマターは私の所掌事項ではないが、(首相との面会は)日程上の都合でダメだと聞いている』と伝えられた。その時までには首相は16、17日には外遊中だという情報が入っていたので、『フィン氏が離日する18日の午前11時までであれば対応できます』という主旨の手紙を1月8日に再度、内閣総務官室宛てに投函しました」(川崎氏)

 1月11日に、再度、首相官邸の秘書官付の担当者に連絡したが、『手紙が届いているか今から確認します』と言うのみ。フィン氏が来日した12日になって、前出の外務省の担当者と電話で話した際、「私の所掌事項ではないが、外遊中かどうかという問題にかかわらず、18日も日程が合わないと聞いている」と伝えられた。ただ、直接の担当者ではない人物から伝えられた情報であり、この時点でも首相官邸から正式な回答はなかったため、川崎氏は13日、メディアの取材に「首相との面会は調整中」と答えた。すると、14日に前出の外務省の担当者からメールがあり、「あれ(12日のやり取り)は政府としての回答です」と伝えられたという。
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