まず、1カ月分の買い物のレシートを全てとっておく。月末にレシートで買ったものを見ながら、「食費」「食費以外の金額トップ3費目」を算出。そして、各費目ごとに買ってよかったものに「○」、買わなくてよかったものに「×」を書き込む。最後に、○と×の合計額をそれぞれ算出する。大きなお金が動く費目を把握し、買い物のパターンと無駄な出費の規模を知ることができる。

「自分の使い癖を知ることが、貯め上手の第一歩。家計簿も不要で、手軽に始められます。×がついたものは、なぜ買ったのか自問するように。まずは3カ月、ゲーム感覚で楽しみながら続けてみて」(八ツ井さん)

 最後は、実際にどうやって節約していくか。

 節約アドバイザーの和田由貴さんによると、まず見直すべきは、固定費だという。「確実にかかる」と思っている固定費ほど、ムダが潜んでいる。

「節約のポイントは、思い込みで使っているお金をいかに洗い出せるか。面倒がらずに一度見直してみると、大幅な節約につながる可能性も少なくありません」

 例えば、車。和田さん自身も4年前に車を手放した。都内在住で、移動手段はほぼ電車。車は月に数回使う程度だった。車のない生活は不安だったが、車検のタイミングで手放した。車を使いたいときはカーシェアリングを活用。15分約200円(ガソリン代込み)で借りられ、車検や駐車場代など維持費もかからない。結果、年間20万円近い節約につながった。

 スーパーの回り方にもコツがある。和田さんは、肉や魚など、メインの食材があるコーナーから先に回ることを勧める。多くの人は入り口に近い野菜から回りがちだが、「無駄買いが増える回り方」(和田さん)。

 夕飯の買い物をする際にも、メインの食材を決めないまま、漠然と野菜コーナーから入ると、値下げにつられて余計な分まで買ってしまう例が少なくない。

「スーパーの回り方も、献立を決めるときと同じ。メインに合わせて副菜分を買う。肉や魚は冷凍もできますが、野菜はすぐに傷みがち。食材をムダにしない、賢い買い方です」(同)

(本誌・松岡かすみ)

週刊朝日 2018年1月5-12日合併号より抜粋

著者プロフィールを見る
松岡かすみ

松岡かすみ

松岡かすみ(まつおか・かすみ) 1986年、高知県生まれ。同志社大学文学部卒業。PR会社、宣伝会議を経て、2015年より「週刊朝日」編集部記者。2021年からフリーランス記者として、雑誌や書籍、ウェブメディアなどの分野で活動。

松岡かすみの記事一覧はこちら