暦年課税を選んだ場合、1年間に贈与された財産が110万円以下なら非課税となる。

 これに対し、相続時精算課税は、生前に受け取った金額が2500万円までなら贈与税がかからない仕組みだ。佐藤氏は、

「節税の観点からは暦年課税を選ぶのが一般的です。相続時精算課税は結局、相続税と合算されてしまうためです。暦年課税は機動的に利用できる点もメリット」

 と指摘する。

 暦年課税で贈与する場合のポイントとしては、贈与のたびに契約書を作ることを挙げる。契約書がなければ、子供らが財産を贈与によって受け取ったのか、借金しているのかわからなくなるためだ。契約書をきちんと残しておけば、税務署側から余計な疑いをかけられることも防げる。

 相続税対策の贈与は時間をかけてやったほうがいい。贈与してから3年以内に亡くなると、生前贈与したはずの財産であっても原則として、相続税の課税対象になるからだ。体調が悪くなってから、急いで贈与しようとしても間に合わない。健康なうちに、どうすべきか検討しておこう。

Q:申告漏れがバレるとどうなるの?

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