田原総一朗「『空気を破れない』日本企業で続発する不正が国を滅ぼす」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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田原総一朗「『空気を破れない』日本企業で続発する不正が国を滅ぼす」

連載「ギロン堂」

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田原総一朗週刊朝日#田原総一朗
田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年生まれ。ジャーナリスト。東京12チャンネルを経て77年にフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超えた。『トランプ大統領で「戦後」は終わる』(角川新書)など著書多数 (c)朝日新聞社

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年生まれ。ジャーナリスト。東京12チャンネルを経て77年にフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超えた。『トランプ大統領で「戦後」は終わる』(角川新書)など著書多数 (c)朝日新聞社

なぜ日本企業は信用力を崩壊させるような不正を続発させることになってしまったのか…(※写真はイメージ)

なぜ日本企業は信用力を崩壊させるような不正を続発させることになってしまったのか…(※写真はイメージ)

 日本企業の製品は極めて品質が高いことで世界から評価されていたのである。私自身、そのことを信じ、誇りとしていたのだが、一連の不正発覚により、こうした信用力が崩壊せざるを得なくなる。

 それにしても、なぜ日本企業は信用力を崩壊させるような不正を続発させることになってしまったのか。

 私は戦後、日本で企業を創立し、あるいは立て直した経営者たちを何人も取材している。松下幸之助、盛田昭夫、本田宗一郎、稲盛和夫……。誰もが焼け跡から出発し、日本企業の製品を世界の人々が信頼してくれるよう全力で頑張った。品質の高い製品をつくることに全エネルギーを集中させた。「お客さまは神様です」という理念が企業マンたちの常識となった。従業員たちも、それが社是であるかのように頑張った。

 ところが、1990年代の後半から、経済成長が止まりデフレの時代となった。デフレ時代になると、何よりも重要な課題がコストダウンだ。コストのために従業員を減らす。リストラである。正社員を減らし、非正社員を増やす。だが、従来の高品質製品の看板をはずすわけにはいかない。そのために、無資格者による検査や、検査証明書の改ざんという不正が続出してしまうのではないか。しかも、山本七平氏が指摘したように、日本では空気を破るのがタブーのようになっていて、だから会社ぐるみのなれ合いが続発する。だが、日本企業の信用力の崩壊は、日本崩壊につながるはずである。

週刊朝日  2017年12月15日号


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田原総一朗

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年、滋賀県生まれ。60年、早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社。64年、東京12チャンネル(現テレビ東京)に開局とともに入社。77年にフリーに。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。98年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。早稲田大学特命教授を歴任する(2017年3月まで)。 現在、「大隈塾」塾頭を務める。『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)、『激論!クロスファイア』(BS朝日)の司会をはじめ、テレビ・ラジオの出演多数

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