酒井:そうなんですか。知りませんでした。

三浦:品目ごとの消費を見れば、確かにジャケットは売れていないのに、コートとシャツは売れている。そういうトレンドがはっきり出るんです。先ほどの「料理男子」もそうだし、35~59歳の男性が60歳以上のシニア男性並みにヨーグルトを食べるようになったこともわかります。健康志向が、世代的に前倒しされているんですね。

酒井:習い事はどうですか。私、中年になってから、習い事がしたくてしたくて、たまらないんです。中華料理は15年前くらいから習っているし、卓球も習っています。中年になって自分の能力が伸びると、妙にうれしく感じます。自分の「進化欲求」に、けっこうお金を費やしている。

三浦:僕もラジオでフランス語を3年やったら、少しはわかるようになって、うれしかったですねえ。今回の分析では、若い男性は資格取得が10年前の50倍近いし、料理教室が18倍と激増しています。中年女性は語学と音楽。シニア男性は音楽とスポーツ。シニア男性は自動車教習所費用が7倍近い。

 ところで2030年には、40代以上の一人暮らしが1388万人に達すると予想されていますが、酒井さんはシングルの人たちに、基本的にどういうスタンスを取っているのですか。

酒井:籍に入っている・入っていない、同居している・していない、はどちらでもいいんですけど、「お相手=パートナーはいたほうがいい」という立場です。人生100年時代、暇つぶしの相手はいたほうが……。

三浦:周りにいる方々でキャリアウーマンになった方はたくさんいらっしゃると思いますが、どういう人が多いですか。

酒井:結婚していなくてもパートナーがいる、という人は多い。50代の人で、40代から付き合っていたりして、パートナーとの関係が長くなっていますね。実質上は夫婦なんだけど、結婚していないからこそ仲良くしていられる、みたいな感じ。今は都会特有の現象かもしれませんが、これからはこういうカップルが増えてくるのではと思います。

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