出会いは文通 “変わった顔”の落語家が考えた“ラッキョウ作戦” (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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出会いは文通 “変わった顔”の落語家が考えた“ラッキョウ作戦”

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週刊朝日#男と女
三遊亭円丈(さんゆうてい・えんじょう)(右)/1944 年、愛知県生まれ。明治大学文学部中退。高校時代から落語家を目指し、64年、六代目三遊亭円生に弟子入りし「ぬう生」となる。69年、二ツ目昇進。78年、真打ちに昇進、「円丈」を襲名。「グリコ少年」「パパラギ」など一貫して新作落語を作りつづけ、後進から「新作落語の神様」と呼ばれる。参道狛犬研究の第一人者でもある。著書に『円丈落語全集』全5巻予定(円丈全集委員会発行・クエスト発売)、CD「三遊亭円丈落語コレクション」1~10(アモンエンタープライズ)。落語協会分裂騒動を描いた『御乱心』の新版が近々、小学館文庫から刊行。趣味は、家の中で毎日速歩。大角ユリ子(おおすみ・ゆりこ)(左)/1947年、福島県生まれ。地元の高校を卒業後、神奈川県小田原市の会社に勤務。約3年の文通交際を経て、72年に結婚。73年に長女、74年に長男が誕生。趣味は朝夕、家の近くを速歩すること。(撮影/植田真紗美)

三遊亭円丈(さんゆうてい・えんじょう)(右)/1944 年、愛知県生まれ。明治大学文学部中退。高校時代から落語家を目指し、64年、六代目三遊亭円生に弟子入りし「ぬう生」となる。69年、二ツ目昇進。78年、真打ちに昇進、「円丈」を襲名。「グリコ少年」「パパラギ」など一貫して新作落語を作りつづけ、後進から「新作落語の神様」と呼ばれる。参道狛犬研究の第一人者でもある。著書に『円丈落語全集』全5巻予定(円丈全集委員会発行・クエスト発売)、CD「三遊亭円丈落語コレクション」1~10(アモンエンタープライズ)。落語協会分裂騒動を描いた『御乱心』の新版が近々、小学館文庫から刊行。趣味は、家の中で毎日速歩。
大角ユリ子(おおすみ・ゆりこ)(左)/1947年、福島県生まれ。地元の高校を卒業後、神奈川県小田原市の会社に勤務。約3年の文通交際を経て、72年に結婚。73年に長女、74年に長男が誕生。趣味は朝夕、家の近くを速歩すること。(撮影/植田真紗美)

――高座で「認知症ですから」と観客を笑わせる円丈さん。しかし、ギャグではなく老いを実感している。

夫:物覚えに関しては近ごろ、どうもおかしい。それで、高座は見台に台本を広げてやっていますが、一瞬どこまでやったのかわからなくなることがある。「認知症ですからね」と言うと、お客さんがドッと笑う。いよいよダメだとなったら堂々と書いたものを読む。すると、また笑いが起きる。ギャグでもなんでもないんだけど。病院で調べてもらったら、認知症の入り口にいるそうなんです。最近は「まだ認知症ではないんですが、医者から認知症同然なんだと言われまして、いまは崖の上にいるんです」と言ってはじめています。

――妻は無口で、慮(おもんばか)った夫は、ついつい妻の分までしゃべりすぎてしまう。

夫:カミサンは病院に行くときはいつもついてきてくれるんで心強いんですよ。でもご覧のとおり、あまりしゃべんない。山形のひとですからね。

妻:口下手だから。

夫:僕は狛犬(こまいぬ)を見に行くのが趣味で、昔はカミサンがクルマを運転して一緒に四国の神社を回ったんですが、2年くらいしたら、「もう、ひとりで行って」と言うんですよ。

妻:四国の神社は、細い道が多いんですよね。すれ違うのも大変で、怖いのに、隣で「アッチ、コッチ」と言うものだから。

夫:カミサンは物見遊山が好きなんですが、僕はね、これはいつごろに作られた狛犬なのかといったことを調べるのが好き。いわゆる観光には興味がない。紅葉の季節だからって、モミジの天ぷらなんか食ってどうするんだと、つい口にしちゃう。

妻:ひとりで狛犬を見に出かけるようになって。

夫:カミサンは妹たちとあちこち出かけるようになった。このひと、生まれは会津で、8人姉妹で、全員女なんですよね。

妻:四女なんです。

――二人の出会いは文通欄だ。妻は当時を思い起こし、今でも照れる。

夫:当時は文通がはやっていたんですよ。噺家ですからね、頭を使う。どうやったら返事がいっぱい来るか。ある雑誌に「○○とラッキョウが嫌いな人、お手紙ください」と書いたんです。○○のほうは忘れましたが、ラッキョウがよくて、20通近く返事が来た。その中のひとりが、こちらのお嬢さんだった(笑)。


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