妻:(両手で顔を隠す)。ラッキョウはわたしも嫌いでしたから覚えています。第一印象は、変わった顔のひとだな。出っ歯でしょう。あと文章が上手だなぁ。わたしは数行しか書かないのに、いつも便箋に5枚くらい書いて返してくる。
夫:何年くらい続いたのかなあ。
妻:さあ。わたしは小田原で働いていて。
夫:だから会うのはたまにで、もっぱら電話ですね。まだ前座のころで、カミサンは会社の寮住まい。僕のほうからかけていました。
妻:まだしゃべることがあったんですよね。
夫:何とかつなぎとめておこうと必死ですから(笑)。
妻:手紙は、ここに越してくるときに全部処分しました。「終活」です(笑)。あとでひとに見られでもしたら恥ずかしいですから。
(聞き手・朝山実)
※「三遊亭円丈、妻に『売れないでー』と懇願される そのココロは?」へつづく
※週刊朝日 2017年11月24日号より抜粋