意表を突かれまくりのザ・クロマニヨンズの新作 (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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意表を突かれまくりのザ・クロマニヨンズの新作

連載「知新音故」

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小倉エージ週刊朝日#小倉エージ
ロックロール街道をひた走るザ・クロマニヨンズ

ロックロール街道をひた走るザ・クロマニヨンズ

ザ・クロマニヨンズのニュー・アルバム『ラッキー&ヘブン』

ザ・クロマニヨンズのニュー・アルバム『ラッキー&ヘブン』

 ザ・クロマニヨンズのニュー・アルバム『ラッキー&ヘブン』を聞いて「おや?」と思った。いつもならアルバムの最初から最後まで一気呵成、スピーディーでゴリ押しのロックンロール! ところが今回の演奏、サウンドは実にバラエティー豊か。異色のナンバーもあって「おやおや?」――。

【ニュー・アルバム『ラッキー&ヘブン』のジャケット写真はこちら】

 甲本ヒロトと真島昌利がTHE BLUE HEARTS、←THE HIGH―LOWS→を経て、小林勝、桐田勝治とザ・クロマニヨンズを結成したのは2006年。この年、シングル「タリホー」でデビューし、アルバム『ザ・クロマニヨンズ』を発表。以来、ほぼ1年に1枚というハイ・ペースでアルバムを発表し、本作で11枚目になる。

 ファンにはすでに知られたところだが、甲本はセックス・ピストルズに衝撃を受け、真島はザ・ビートルズがロックとの出会い。それぞれ興味を持ったグループのルーツを探り、演奏や音楽性に反映してきた。

 野性味あふれる甲本のヴォーカル・スタイル。ハーモニカ演奏はリトル・ウォルターやサニー・ボーイ・ウィリアムスンなどシカゴのブルースが好み!ということを物語る。ブルース・ハープそのもので、実にスリリングだ。

 真島のざっくりとしたギターからはキース・リチャーズがその入り口だということはもちろん、そのルーツを探った跡さえよくわかる。

 これまでの11作のうち、『ジャングル・ナイン』を除く10作がモノラル録音! それも大きな魅力である。

 今回の『ラッキー&ヘブン』の幕開けは、「デカしていこう」。アップ・テンポのロックンロールだが、メロディーには60年代のポップス的なエッセンスも含まれる。真島が書いた曲で、“でかした!”、つまり“よくやった!”という褒め言葉をひねっている。揚げ足取りなヤツらを揶揄したシニカルな歌だ。甲本の毅然とした歌いぶりが辛辣さを増している。

 続く「流れ弾」はザ・クロマニヨンズならではのスピーディーなロックンロール。甲本の曲で、“ヤバい仕事”に手を染めている男を描いたハードボイルドな歌。“どん底だから あがるだけ”と繰り返す「どん底」は真島が書いた曲。どん底にあって“じたばたで どたばたで てんやわんや”と歌いながら“力抜き 手は抜かない”と続き、余裕、ゆとりも感じさせる。


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