だが、晴れの開校に暗雲が垂れ込めている。前出の文科省関係者がこう疑問を呈する。

「認可されても、愛媛県今治市という田舎で、あれだけマスコミで報道され、イメージが悪くなっているので、生徒集めは大変だろう。もう後は後輩に任せるという感じかな」

 加計学園の獣医学部の計画で特徴的だったのは、当初の160人(その後140人に修正)という生徒募集の多さだ。現在、獣医師養成系の大学は全国で16校あるが、定員は合計で約930人で平均すると1校で60人足らずとなる。計画通りに集まれば、全国最大規模となる。

「困っているのが、学生募集です。おそらく定員に満たない人数での開学となるでしょう。アジアからの留学生の確保のため、アチコチと飛び回ってますが、獣医学部は特殊な分野。国によって基準、免許制度なども違って学生集めは大苦戦です。国内では高校、専門学校に営業をかけ、学生を引っ張ることを必死になってやっています。しかし、ある高校に行った時、『日本一有名な大学になり過ぎて生徒に薦めるのは腰が引けます』と言われたそうです。あと学生や保護者から補助金を貰っているのに、授業料が安くないなどと言われ、現場は参っているそうです」(前出の関係者)

 果たして4月の開校の時、生徒は何人集まるのか。前途多難なようだ。

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