麻実れい、舞台生活45年で初の“普通の母親”役「地の私にとても近い」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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麻実れい、舞台生活45年で初の“普通の母親”役「地の私にとても近い」

菊地陽子週刊朝日
1950年生まれ。東京都出身。70年宝塚歌劇団入団。雪組の男役トップスターとして活躍。85年退団後、舞台を中心に活躍。2011 年「冬のライオン」「おそるべき親たち」で第18回読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞(撮影/岡田晃奈)

1950年生まれ。東京都出身。70年宝塚歌劇団入団。雪組の男役トップスターとして活躍。85年退団後、舞台を中心に活躍。2011 年「冬のライオン」「おそるべき親たち」で第18回読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞(撮影/岡田晃奈)

「戦時下という苛烈な状況に置かれながらも、ひたむきに生きる姿に、『国は違っても、みんな同じ人間なんだ』というメッセージが込められている気がします。ただ、役者というのは、役を通して演出家の信念を届けるメッセンジャーに過ぎないと思うので、長く役者を続けてきたからといって、自分の引き出しの中に、どれだけの物が詰まっているかはわかりません(苦笑)。いくつもの作品に携わってこられたのは、自分の中に特別な力があったからじゃない。すべて脚本、演出家、共演者、スタッフのお陰だと思っています」

「謙虚ですね」と言うと、「頑固なんです」と返された。

「よく言えば真面目というか、自分に対して頑ななんです。妥協ができない。でも、人に対しては優しいの(笑)。今回の役も、苦しんでいるけれど、私にはそれも、“好きな苦しみ”かもしれない。作品を作り上げるときの緊張、ひとさまの前に立つ緊張。それは、普通の生活をしていたら味わえないぞ、って思うから。よく、『馬子にも衣装』っていうけど、私にとっては『馬子にも緊張』ね(笑)。常に心地よい緊張感があるから、何とか舞台に立てているんです」

 ただ一つ、特に実在の人物を演じるときは、人間として、女として、素敵に見えるよう心がけている。どんなに弱さや嫌らしさがあっても、最終的には、その人の幹の太いところを表現したいと思う。

「最近は、年齢を重ねる幸福を実感するようになりました。緊張を楽しめるようになったことも含めて、重い荷物を肩から一つひとつ下ろして、軽くなっている感じはありますね」(取材・文/菊地陽子)

週刊朝日 2017年11月17日号


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