平昌オリンピック組織委員長は2人交代していて、現在は3人目だ。

「オリンピック運営の要ともなる総指揮者が代われば指揮系統も滞ります。初代の金振(キムジン)ソン元江原道知事も崔順実事件絡みで逮捕された朴前政権時の文化体育観光相や秘書室長から疎まれて突然、組織委員長職の辞任を余儀なくされたといわれ、崔順実事件が平昌オリンピックに残した傷痕は大きい」(同前)

 また、平昌オリンピックを象徴するマスコットを決める段階でも、まごついたと地元の別の商人はこぼす。

「朴前大統領が平昌オリンピックのマスコットを、韓国を代表する『珍島犬(チンドケ)』にしろと指示して、すったもんだしました。地元では『珍島犬は珍島(韓国南部の島)のもので平昌とは関係ないだろう』とあきれていました。それでも、珍島犬への愛情に並々ならぬものがあったのかと思っていたら、罷免された後、朴前大統領は青瓦台(大統領府)で育てていた珍島犬を捨てて出ていった。表向きに利用しただけだったんです。結局、今のマスコットに落ち着きましたけど、朴前大統領と崔氏に地元は翻弄された格好です」

 その後、マスコットは朝鮮半島を代表する「白虎」と平昌のある江原道を象徴するツキノワグマに決まった。韓国内での盛り上がりが欠ける背景には、冬季スポーツに人気選手が少ないこともあるという。

次のページ