埼玉県の志木駅前でビラ配りをする豊田真由子氏(撮影・上田耕司)
埼玉県の志木駅前でビラ配りをする豊田真由子氏(撮影・上田耕司)
埼玉県の志木駅前で支援者に励まされ泣く豊田真由子氏(撮影・上田耕司)
埼玉県の志木駅前で支援者に励まされ泣く豊田真由子氏(撮影・上田耕司)
埼玉県の志木駅前で通行人の靴紐を結ぶ豊田真由子氏(撮影・上田耕司)
埼玉県の志木駅前で通行人の靴紐を結ぶ豊田真由子氏(撮影・上田耕司)

 「このハゲー」「違うだろー」などと元秘書の男性に罵声を浴びせるパワハラが週刊誌で大々的に報道され、その音声がテレビで繰り返し流され、自民党離党を余儀なくされた豊田真由子氏(43)。今回の衆院選は無所属での出馬となったが、その戦いぶりをルポした。

【写真】泣いたり、有権者の靴ひもを結んだりと奮闘する豊田氏はこちら

 平日の早朝、東武東上線の志木駅前に行ってみると、いた。

上から下まで真っ白の服装にピンクのタスキをかけ、ビラまきをしていた。

「おはようございます。このたびはまことに申し訳ございませんでした。お詫びとお願いに参上致しました。豊田真由子でございます。行ってらっしゃいませ」
 
 こう言いながら、深々と何度も頭を下げる。通行人に励まされると泣き顔になっていた。

 通行人の約半数はビラを受け取っていたが、半数は無視して行き過ぎる。

 誰一人としてヤジは飛ばしていなかった。ボランティアによれば、「ヤジを浴びせられたのは最初の頃だけだった」という。
 ある男性通行人(50)の靴ひもがほどけていたのを見かけた豊田氏は、足元にしゃがんでヒモを結んだ。

 あの罵声はどこへやら……。まるで天使のように見えた。

 靴ひもを結んでもらった男性は本誌の取材にこう答えた。

「ひもがほどけていたので、やってもらいました。昔は近づけないオーラが出ててたけど、いまは反省したみたいです」

 街頭演説では「私の人生どん底。マイナスからの出発です。どん底から這い上がっていけるのか。私自身の人生をかけて頑張っていきたいと思っております」と切々と訴えた。

 ただメディアなどへ流出したパワハラ「音声」については一言も説明はなし。

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