中学入試日程(週刊朝日 2017年9月29日号より)
中学入試日程(週刊朝日 2017年9月29日号より)

 慶應か、女子学院か……。今年の中学入試では芦田愛菜の難関校ダブル合格が話題になった。学校選びも時代とともに変化している。2020年からの大学入試改革が及ぼす影響も未知数な中、首都圏のトップ中高の受験事情を探った。

 男子の最難関、筑波大附駒場(東京)と開成(東京)。今年の東大合格者数では開成が161人で1位(卒業生数398人)、筑波大附駒場が102人(同160人)で2位だった。

 中学の入試日は2月1日に開成、3日に筑波大附駒場で併願が可能。大手進学塾関係者によると両校合格の場合は、やはり圧倒的に筑波大附駒場を選ぶ子が多いという。しかし、変化があった。

「この3、4年は潮目が変わってきており、あえて開成を選択する子も増えてきている」(大手進学塾関係者)

 実際に、今年も「筑駒のほうが自由な気がするため、あまり自由だと自分がダメになる気がした」と開成を選んだ子もいたという。

 もともと彼は開成志望であり、校風が決め手となったわけだが、前述の関係者は開成進学者が出る理由として、生徒数の多さと私学ならではの柔軟性を挙げる。最近は出身大学ではなく出身高校が問われるようになるなど、高校閥が注目されるようになった。

「いろいろな部活ができるし、高校閥は大学入学後や社会人になってものを言うので、社会の隅々まで開成卒業生がいるのはメリット」

 受験対策でも文部科学省に縛られないカリキュラムを組めるため、大学入試改革に素早く対応できるのも利点だ。2020年からは大学入試センター試験に代わり、「大学入学共通テスト」が導入される。また、最近は海外の大学志望者も増加傾向にあり、そこでの優位性を訴える。

 女子の頂点は桜蔭(東京)。今年も東大合格者数では女子校で唯一トップ10入りした(63人/7位)。桜蔭受験者の6割が併願するというのが、進学校としての地位を不動のものにしている豊島岡女子学園(東京)だ。ダブル合格の場合、やはり圧倒的に桜蔭進学者が多いものの、あえて豊島岡女子を選ぶ子もいるという。背景を前出の大手進学塾関係者はこう語る。「豊島岡は中学の段階から受験指導をしっかりやっている。都内の女子進学校ではいちばん学費が安く、コスパがいいと考える人も多い」

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