江東区豊洲の大人気タワーマンション「スカイズタワー&ガーデン」の外観(右奥)
江東区豊洲の大人気タワーマンション「スカイズタワー&ガーデン」の外観(右奥)

 2033年には約3軒に1軒が空き家になるとの衝撃的な予測も出ている家余り時代。「家は負の遺産」「値上がりしない」と一般の人は思いがちだが、家は唯一最大の資産、高齢化社会の老後の拠り所でもある。そこで、本誌は資産になる家の賢明な見極め方を探った。

 小池百合子東京都知事の登場により、市場移転問題で全国的にも有名になった東京・豊洲。「一昔前は埋め立て地のゴーストタウン」(地元の不動産業者)と揶揄(やゆ)された地域だが、時代は様変わりした。有楽町線・豊洲駅から歩いて約5分もすると、地上44階建てのシンボリックな外観が特徴的な大規模な高層マンションが見えてくる。三井、三菱、東京建物など大手ディベロッパー6社が共同で手掛けた「スカイズ タワー&ガーデン」(江東区豊洲)だ。

 販売がスタートしたのは2013年7月。総戸数1110戸という都内でも超大規模物件だったが、約10カ月で完売した。マンションの専有面積は約55~130平方メートル、価格も約3500万円から約1億4千万円(最多価格帯5500万円台)と幅広く、売り出し中には20代から60代まで幅広い層約5千組以上がモデルルームに来場した。

 共有部分にはフィットネスジムやプール、スカイデッキなどがあり、記者が訪れると美人女性コンシェルジュ2人が笑顔で“ホテル並み”の対応をしてくれたほど。不動産の取引に詳しい不動産コンサルタントの岡本郁雄氏は言う。

「不動産業界では都内のマンションの成約率は70%いけば十分と言われますが、豊洲は異例で記録的なスピード完売です。それだけ商品価値、モノが良い証拠。売り出し直後に東京オリンピック開催が決まった要因もありますが、東日本大震災後の高層タワーマンションに対する耐震面への不安が、買い手に依然強く根付いている状況の中での人気ぶりは、それだけ魅力的な家だったのでしょう」

 確かにマンション開発区画の約46%が緑地空間で、周辺を歩いてみると川もあり、タブノキやヤマモモなどさまざまな木で埋め尽くされ、とても都内一等地のゴミゴミした感じはない。マンションのエントランスから肉眼で小・中学校や病院、コンビニが見えるほか、徒歩圏内で「ららぽーと豊洲」といったファミリーに大人気の商業施設もあり、人気ぶりを実感した。

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