それでは、どんな立地に立つ物件がいいのか? 大久保氏は「万人受けする家」と表現する。そのポイントとして、交通の便や生活・住環境の良さ、適切な間取りなどを挙げ、「産業が発展する場所に近いエリアに仕事を求めて人が集まります。常識的な目で見たときに住みたいと手を挙げる人が多く現れる家。それが資産になる家の一般的な目安です」と語る。

 さらに、大久保氏は「資産になる家は中古になっても『売り』『貸し』がしやすい家。家を買って放っておいたら資産になりません。日常からきちんと手入れをして住み心地を良くしておくことが大事です」とも指摘する。

 肝心の立地について、東京・吉祥寺と八王子の違いを挙げた。

「建物は20年建てば価値はゼロになりますが、土地は資産として残る。土地の価値は立地で決まる。いろんな人がたくさん集まる吉祥寺のような人気のある地域と八王子とは東京駅からの所要時間が30分違うだけで、駅から徒歩2分遠く、土地面積も約15平方メートル狭く、築年数も古く条件は劣りますが、価格は5500万円近くも高いことが一目瞭然です。都心からの所要時間や人気の沿線・駅を示す広域立地で資産価値が決まると考えて間違いありません」

 前出の岡本氏は立地に加え、「商品としていい物件は利便性を第一に挙げたい」と語る。売れ筋のエリアとして先述した豊洲のほか、お茶の水や東雲、品川など、企業が集中する渋谷や大手町、東京駅界隈へのアクセスのいい周辺地域を挙げた上で、「株と同じで資産価値が上がるのには必ず理由があります。漫然と待っていては、いい資産価値のある物件には出会えない。結婚と同じです。常に動向を見ておかないと、いい子(家)かどうか見極めがつかない」(岡本氏)。(本誌・村上新太郎)

週刊朝日 2017年8月11日号より抜粋